ミモレ世代になるとお通夜や葬儀、告別式に参列する機会が多くなります。いざという時に迷いがちなお葬式の参列時のマナーに関する疑問について、NPOマナー教育サポート協会理事相談役の岩下宣子さんに答えていただきました。


岩下 宣子(いわした・のりこ)さん
NPOマナー教育サポート協会理事相談役。現代礼法研究所主宰。共立女子短期大学卒業。全日本作法会の内田宗輝氏、小笠原流の小笠原清信氏のもとでマナーを学ぶ。1985年、現代礼法研究所を設立、主宰となる。マナーデザイナーとして、多数の企業や団体でマナー講座、指導、研修、講演などを行う。『図解 日本人なら知っておきたいしきたり大全』(講談社)、『冠婚葬祭マナーの新常識』(主婦の友社)、『12歳までに身につけたい ルール・マナーの超きほん』(朝日新聞出版)など監修・著書多数。

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【参列時のマナー編】

写真:Shutterstock

Q. 数珠を式場で持つタイミング、また持ち方、使い方について教えてください。
A. 席についてからバッグから出して、略式数珠の場合は房が下になるようにして手に持ちます。その時、手はぶらんと下げずにウエストあたりに置いて、水が流れるような感じに腕を曲げておくと美しく見えます。
お焼香が終わり、席に戻ってからしまうと良いでしょう。

Q. お香典はお通夜と葬儀・告別式、どちらに持参するのが良いですか?
A. どちらでも良いです。お通夜で持参し、葬儀・告別式に参列する場合には受付で「昨日通夜に参列させていただきましたので、名前だけ書かせていただきます」と伝えて名前だけ書くのが良いでしょう。

Q. お香典は薄墨で書かないとダメでしょうか?
宗派によって異なりますが、そもそも薄墨で書くのは「悲しみのあまり涙で墨がにじんでいます」「あまりに突然のことで、墨を磨りきれないまま書いてきました」という思いが込められています。

Q. お香典の金額に迷ったらどうしたらいいですか?
A. 以前に相手の方からお香典をいただいたことがあれば、その時と同じ金額を包むのが一つのやり方です。
ですが、いただいたことがないなら、将来、相手の方がその金額を包んでくれる可能性があることを考えて、自分の負担にもならず、相手の負担にもならない、お互いの身の丈に合った金額に決めてみてはどうでしょうか。一般的には、今は一万円か五千円くらいでしょう。

今の若い方は、何かを差し上げてお返しが来たら終わりと思っていますが、それは違うんです。
お葬式などでこちらが差し上げて、お返しが来る。今度また同じようなことがあったら、以前と同じ金額であげるというのが「お付き合い」というものなのです。

 
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