ブロードウェイ版『オペラ座の怪人』や宝塚版と、同じ音楽でも異なる部分が素晴らしいし新鮮


大野さん、真彩さん、saraさんは今回新たにこの『ファントム』に参加される三名です。まずはシャンドン伯爵役で出演される大野拓朗さんに、もうすぐ開幕を控える今、改めてこの役が決まったときの感想を教えてください。

大野:僕は前回の再演の時の『ファントム』を観ているんです。今回は(城田)優くんから直接ご連絡をいただいて、電話で「拓朗しかいない!」と仰ってくださったので、じゃあ、その期待に応えられるように努めさせていただきたいなと思いました。

 

真彩:そうだったんですね!

大野:うん、そう。そこで改めて色々考えて……。『オペラ座の怪人』という作品ももちろん知っていたし、『ファントム』を観たときも素敵な曲で素敵なストーリーだと思っていました。以前、ブロードウェイで『オペラ座の怪人』を観たときに、観に来ているお客様たちの熱量をすごく感じたんです。

 

残念ながらブロードウェイで上演されていた『オペラ座の怪人』は今年4月をもって、35年というロングランの歴史に幕を下ろしています。

大野:僕も残念だと思っています。『ファントム』は『オペラ座の怪人』とは微妙に異なるのですが、舞台上で奏でられている素晴らしく美しい音楽には変わりありませんし、その世界観に自分自身が入れるのが本当に嬉しくて。そして「この挑戦はどこに行っても自慢できることになる!」と改めて感じたので、「僕はシャンドン伯爵をやったんだ!」と自慢できる作品に、そして自分の代表する役になるよう精進したいという気持ちです。

唯一、真彩希帆さんは宝塚歌劇団在団中に宝塚版の『ファントム』でクリスティーヌを演じられています。

真彩:宝塚版とは同じメロディーでも歌詞が異なるところがあり、それを聞いたときに「なるほど! こういう訳詞なんだ」と思って、より“お芝居的”な印象を受けました。また新たな感覚で挑戦できるのも楽しみです。

宝塚在団時代に演じたクリスティーヌからはすでに3年ほど経っていますからね。自分の中の声帯も変化していますし、それだけでなく私の日々の過ごし方、環境などいろんなものが変わっているので、どんな感じになるのか私自身もドキドキしています。

 

真彩さんとWキャストでクリスティーヌを演じるsaraさんは、春に出演されていた『ドリームガールズ』のローレル役が華やかで一瞬にして観客を魅了したことが話題になりました。そして、すぐにクリスティーヌ役という大役を演じることに。

sara:もう、クリスティーヌ役に選ばれたことが驚きで……。自分の中でもここまで大きな舞台でのお役というのは初めての経験なので、不安もあり、怖くもあり。でも、それ以上に城田さんがオーディションのときから大きな器で見守ってくださっていたというか。「それでいいんだよ」と仰ってくださって。

大野:そんな感じだったんだ!(笑)

sara:はい! クリスティーヌの役ともつながると思うのですが、導かれるように自分の力以上のものを引き出してくださる城田さんの存在や作品の力というものにすごく力を頂いているんです。自分がどうというよりか、自分もクリスティーヌもこの作品を通して導かれてどこまでいけるかな、どういう景色が見えるのだろうかというのは、未知でもあり楽しみなところでもあり、旅や冒険に出るような気持ちです。