「早苗さんは伝票を見て、だいたいの計算をするんです。例えば、1280円ほどの支払いだと1500円とか、2890円だと3000円など、キリがよい金額をみんなに請求します。私たちは現金で支払っても、電子決済で支払いを行うのでおつりの小銭が返ってこない。ほんの数百円なので言い出しづらいし、幹事をやってもらっている手間賃なのかな……って思ってはいるんですが」

ママ友とは生活圏が近いこともあり、子どもが同じ園や学校に通っている間はつきあいも避けられません。

 

「以前、早苗さんは”現金で集金すると小銭を返すのが面倒“と言っていましたが、こちらにとっては水増し分を請求されて、電子決済で支払いをされてその分のポイントまで手に入れている早苗さんを見ていると、いいように利用されている気分になるんです」

現金で支払われて、釣銭が出れば自然と「分けよう」となりそうですが、電子決済で一斉に支払われてしまうと数字上で処理されてしまいます。目視できないと、相手に伝えづらいといえます。

「ママたちに声をかけて飲み会を企画したりしてくれていること、早苗さんには感謝しているんです。でもそのたびに多めに支払いさせられているという事実を考えると、なんだかモヤモヤしてしまう。子どもが小学校に上がったら、早苗さんとの付き合いは距離を置きたいなって思いますね」

年代も職業も感性も異なるママ同士のつきあい。例え少額でも、お金にまつわるトラブルは、禍根を残しそうです。

早苗さんのようなママ友がすぐ近くにいたら……、あなたならどうしますか?
 

文・構成/池守りぜね
写真/Shutterstock