「もともと性格的には人前で弱音を吐くことが好きではないんです。体調が悪いのに仕事を休まなかったとか、怪我をしたのにステージに立ったとか、そういう話をするのが、すごく嫌い(笑)。精神的に追いつめられてしまったときも、車の中など一人になれる空間で自問自答することが多いです」そう語るのは、工藤静香さん。

令和が始まって5年目なのに、相変わらずワイドショーで伝えられるのは暗いニュースばかり。閉塞感が漂う社会でポジティブなマインドを保つのは、成熟した大人であっても簡単ではありません。むしろ歳を重ねたからこそ、無性に泣きたくなる日もあったりするわけで……。そんなときに、どんな音楽を聞きたいですか?

10代でソロデビューした頃からひときわ大人びた雰囲気を醸し出し、強くしなやかな女性像を示し続けてきた工藤さん。それこそ勇者のような存在で、新曲『勇者の旗』は力強い歌詞で明日を生きる勇気を与えてくれるメッセージソング。今回のロングインタビューでは、赤裸々な言葉で胸の内を明かしてくれました。第一回は今、この新曲が生まれた背景について。全4回に分けてお届けします。

 

工藤静香
1970年4月14日生まれ。東京都出身。セブンティーンクラブ、おニャン子クラブ、うしろ髪ひかれ隊などのアイドルグループで人気を博し、87年にシングル「禁断のテレパシー」でソロデビュー。以来、「MUGO・ん…色っぽい」「嵐の素顔」「黄砂に吹かれて」などヒットを連発。7月1日(土)の愛知公演から始まった「Acoustic Live Tour 2023」が8月26日(土)の東京公演でファイナルを迎える。

 


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【写真】終始包むような笑顔と落ち着く声で。1時間半に亘り語ってくれた工藤静香さん
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