9月になっても続く酷暑に、バテていませんか? 
つい冷たいものばかりを摂ってしまい、食欲が減退。栄養が足りず、疲れが取れない……という方が多いようです。
こんなときこそおすすめしたいのが、「チキンスープ」。料理家・栗原はるみさんは、毎週かならずチキンスープのストックを仕込んでいます。
栗原さんが「元気の素。今の私を支えてくれるスープ」と語るチキンスープのレシピとバリエーションをご紹介します。

メイン特集は『気持ちいい、朝時間』。他に電子レンジのレシピをまとめた便利な別冊付録や、カレーの大特集も!
 

 

基本のチキンスープをおぼえましょう


「楽しい週末のために食事を見直し、食べたいものを考えてみたらチキンスープでした。
煮込む時間はかかりますが、手間なのはあくを取るだけで、簡単です。
いろいろな味つけができるように、あえて塩だけで。透明で清らかなスープは、鶏肉のうまみと玉ねぎの甘さがたっぷり詰まって、体にじんわりとしみ入るおいしさです」(雑誌『栗原はるみ』第1号より)。

栗原さんは、チキンスープだけでたくさんのレシピを持っています。
まずは、鶏もも骨つき肉と手羽先を使った、基本のスープストックから。
 

「チキンスープ」

 


●材料(4〜6人分)

鶏もも骨つき肉…3本
手羽先…6本

A
水…カップ16
昆布…10cm長さ1枚
いりこ(わたと頭を取り除く)…20尾
玉ねぎ…1個(250g)
塩…小さじ2

●作り方

1 昆布は軽く洗って水につける。玉ねぎは皮をむく。

2 大きな鍋Aを入れて火にかけ、煮立ったらきれいに水けをふいた鶏肉を加える。再び煮立ってあくが出たら取り除き、ふたをして弱火で約30分煮る。昆布を取り出し、ふたを外してさらに約30分煮て、火を止める。


この基本のチキンスープのストックがあれば、スープのバリエーションやラーメンなど、いろんな料理を作ることができます。栗原さんが好きなのは、しょうがと黒こしょうで仕上げるシンプルなスープ。まさに今こそ積極的に摂りたいスープです。
 

「しょうがのスープ」

 


●材料(1人分)

チキンスープ…適量
しょうが(せん切り)…適量
黒こしょう(粗びき)…少々

●作り方

1 器にチキンスープを注ぎ、しょうがを加え、こしょうをふる。


「スープをとった後の鶏肉は、たれと合わせてメインの一品にして、最後まで残さずに食べきりましょう」(栗原さん)。
鶏肉は、スープが冷めるまで浸しておくことでしっとりとやわらかくなります。
ゆで鶏には好みのたれをかけ、きゅうりと合わせれば簡単に「棒棒鶏」や「よだれ鶏」ができる、一石二鳥のスープです。
 

手羽肉で作れるサムゲタン


「食欲がない日でも、このチキンスープさえあれば、ちゃんとお腹が満たされます。シンプルですが、奥行きのある味が体と心の両方を温めてくれるのです。今、私はこのチキンスープに支えられていると言ってもいいくらい、助けられています。チキンスープを作ること、そしてそれを味わうことが、私にとっての癒やしなのかもしれません」(雑誌『栗原はるみ』第4号より)。

丸鶏を使わなくても、手軽に手に入る手羽肉でサムゲタンができる。
栗原さんのアイデアは、とても柔軟です。
手羽肉はそのままではなく、だしがしっかりと出るように、あらかじめ2つに切り分けておくのがコツ。
 

「手羽肉のサムゲタン」

 


●材料(作りやすい分量)

手羽肉…8本
A
水…カップ10
昆布…10cm長さ1枚
いりこ…10尾
にんにく…2片
しょうが…1片
長ねぎ(青い部分)…1本分
なつめ…1~2個
米…大さじ2(洗わない)

大根…300g
塩…適量
白菜キムチ、すだち…適宜

●作り方

1 手羽肉は、手羽中と手羽先に切り分ける。沸騰した湯に入れて、再度沸騰したらざるに上げ、ゆでこぼす。

2 鍋に分量の水と昆布、いりこを入れて火にかけ、煮立ったら1の手羽肉と残りのAを加え、ふたをして弱火で30〜40分煮る。

3 大根は皮をむいて3cm厚さのいちょう切りにする。

4 2の鍋に大根を加え、さらに15〜20分煮て、大根がやわらかくなったら塩で味を調える。器に盛り、好みでキムチ、すだちを添える。


だしをとった手羽中は、また別の料理に生かすことができます。
骨を丁寧に抜いて、醬をかけてよだれ鶏風にしたり、野菜とあえてサラダにも。
栗原さんは、大好きな紫キャベツと合わせたおしゃれな前菜を教えてくれました。
 

「紫キャベツとトレビス、チキンのサラダ」

 


●材料(作りやすい分量)

紫キャベツ、トレビス…合わせて150g
手羽中(サムゲタンでゆでたもの)…適量
マヨネーズ…大さじ2
塩・こしょう…各少々
粒マスタード…適宜

●作り方

1 紫キャベツはせん切りにして氷水を張ったボウルにいれる。トレビスは手でひと口大にちぎって同じボウルに入れる。パリッとしたら水けをよくきり、きれいなボウルに入れる。

2 手羽中は骨を取り除き、手で粗くさく。

3 1にマヨネーズ、塩、こしょうを加えてさっくりと混ぜ、手羽中を加えて軽く混ぜ、器にもる。好みで粒マスタードを加えてもよい。


基本のチキンスープも、サムゲタンも、具は季節によって好きな野菜を加えてみて、と栗原さん。
「私は大根やかぶ、里芋をよく入れています。スープだけをしみじみと味わいたいなら、豆腐や春雨を入れてもいいと思います」。
 

まだまだ厳しい暑さは続きます。
冷房で冷えた体を、栗原はるみさんのチキンスープでしっかりと温めて、元気に秋を迎えたいものですね。
 


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②    朝、欠かさずにやっていること

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文/山野井春絵
構成/『栗原はるみ』編集部
 

 

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