季節の変わり目や体調の変化などで荒れがちな唇。デリケートなパーツなのに、意外と「正しいお手入れ方法を知らない」ですよね。荒れない唇のケアからシワ・くすみなどのエイジングサインのお手入れまで、目からウロコのリップケアを紹介します。
ビューティのライフハックを
指南してくれるのは……
アヴェニュークリニック 河合朝奈先生
東京女子医科大学医学部卒業後、JCHO東京高輪病院、名古屋第一赤十字病院形成外科にて研鑽を積む。日本形成外科学会、日本美容外科学会所属。患者に寄り添ったていねいなカウンセリングと痛みを極力和らげる処置に定評がある。プライベートでは2児の母。
Q:そもそも、唇はなぜ荒れるのでしょうか?
A:唇は頬や目元などの皮膚とは異なった構造になっていて、粘膜の延長である皮膚になります。油分を保つ皮脂膜がほとんどなく、さらに角質が他の皮膚に比べて薄いのが特徴です。唇の表面が水分で潤っていれば問題ないのですが、乾燥に弱く、また血流の良し悪しが見た目に直結するパーツでもあります。
唇のケアは「乾燥」対策が必須です。常に潤いで満たされた状態が理想ですが、年齢を重ねるにつれ代謝が遅くなると、唇を覆う膜(ケラチン)の機能が低下して膜が剥がれて、荒れてしまうのです。唇の荒れをケアするには唇の保護が欠かせません。簡単な方法はリップクリームやバームなどで膜を形成することですが、「リップを塗っていても乾く」といった声をよく聞きます。これは正しいリップケアをしていないのかもしれません。
リップクリームをきちんと塗れていない、または唇がベタつくのが嫌でリップクリームを塗らない人。さらに唇の潤いを奪う行為、例えば唇を舐めるクセがある人は乾燥しやすいため、注意が必要です。(河合先生)
Q:リップケアアイテムのおすすめはありますか?
A:一番身近で簡単にケアする方法は、リップクリームやバームなどでこまめに唇を保護することです。ポイントは2つ。
①外部からの刺激を受けやすい唇は、有効成分を刺激物と認識して炎症(赤みや腫れ、ボロボロと皮がむけるなど)を引き起こすこともあります。そのため、配合している成分は少ないほうが良いですね。
②刺激の少ない成分を選ぶこと。唇をふっくら見せるプランパー成分の入ったリップアイテムの使用は控え、まずは保湿を徹底してください。
市販されている製品は、サラサラとした軽いテクスチャーからこってりとしたバームまでテクスチャーも豊富にあります。好みもありますが、機能面でいえば粘度のあるバームのほうが保護の役割が高くなります。スティック状のリップクリームやバームなどを選ぶと良いでしょう。(河合先生)
Q:お手入れのタイミングや塗り方など、ポイントを教えてください
A:「唇の皮がむけてしまった時はもう遅い」と思ってください。乾燥しているな、と感じたらケアをすること。冬はもちろん、夏でもリップケアは必要です。それから寝る前のリップケアも忘れずに。睡眠中は肌を修復する機能が働くので、パフォーマンスを高めるためにも習慣化してほしいですね。
リップクリームを塗る時に気をつけたいのは、力任せにこすらないこと。摩擦はシミや色素沈着の要因にもなるため気をつけて。また、紫外線対策もしたほうがベター。ただし、SPF機能成分が刺激となり、赤みや痛みが生じたら使用を避けてください(河合先生)
「唇の層が薄いため血流が悪いと唇の色に反映してしまいます。血行を促進するには唇に少しの刺激を与えてあげること。指先でポンポンと指圧するだけで血行が良くなります。リップクリームを塗る前の10秒エクササイズとして試してみてください」(河合先生)
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「水分保持能力が低下し、さらに筋肉や脂肪も減少すると、唇の弾力が低下して痩せて見えます。乾燥ケアと同様、潤い力を高めること。今は保湿はもちろん、唇をふっくらと見せる機能面にすぐれたリップ用美容液などの製品も充実しているので、試してみてはいかがでしょうか?
それでも気になる場合はヒアルロン酸を注入する方法も。ヒアルロン酸はまわりから水分を集める機能もあるので、潤いのある質感がキープできます。40代以降は脂肪の量や弾力が減り、唇の厚みがなくなるのを感じやすいかもしれません。気になるならドクターに相談するのもひとつの手です」(河合先生)
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