裏側から楽しくないと、本当の意味で良い作品はできない


そしてそのようなスタンスは、実はアーティスト側の幸せに結びつく話でもあるように思います。先日、BE:FIRST初のライブドキュメンタリー映画『BE:the ONE』が公開2週目で動員数10万人、興行収入3億円を突破したことで開催された大ヒット御礼イベントでは、SKY-HIがこのような言葉を語っていました。

「今までは、裏では辛く苦しい時間をひたすらに耐えて、表ではそれを感じさせないように笑顔でキラキラと輝くというものが当たり前だったと思うんですけど。やっぱり裏側から楽しくないと、本当の意味で楽しくて良いものってできないんじゃないかなというのは、ずっと思っていたので」

 

このSKY-HIの言葉や、BE:FIRSTが楽曲の中で示した「自分たちらしくトップアーティストを目指す」という決意は、これからの時代におけるエンターテインメントのあるべき姿になるのではないかと感じました。「Mainstream」という言葉には、そうした次世代のエンタメの姿をつくっていくという覚悟も込められているのかもしれません。

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ちなみに、映画『BE:the ONE』も、まだ観ていない方はぜひ劇場で観ていただけたら。ライブドキュメンタリーなので、劇場でこそ、彼らのパフォーマンスの迫力が伝わってくると思います。

また、メンバーが音楽やコンサートへの考え方、ファンに対する想いについて、ひとつひとつの言葉をかみしめるように紡ぎだすインタビューカットも必見ポイントです。


例えば、RYOKIが音楽について語ったときの「自分だからこそ表現できるものを突き詰めることがBE:FIRST」という言葉や、LEOがファンについて語った際の「ありのままでいい、君のままでいい、自分たちもそうだから」という言葉は、今回の「Mainstream」で表現された内容にも通じるものがあり、彼らのコアな軸はずっとズレていないのだなということがよく分かります。

新しい時代を切り開いていく彼らの「生き様」すべてがひとつの魅力的な物語であり、連綿と続く音楽の歴史の一部となっている。そんな稀有なアーティストがBE:FIRSTなのかもしれません。

 
構成・文/市岡光子