「あと5キロ」を減らすため、プロから食事指導を受ける

 

最初の頃に比べ体が軽くなったのもわかるし、太って着られなくなっていたお気に入りのブランドの服もスルッと入る。これは嬉しかったですね。処分しなくて良かった〜と(笑)。ですが、ダイエットは成功していません。あと“5キロ!”減らしたいんです。
食事や運動でそれなりの結果は出したものの、「あともうひと踏ん張り」するには何をしたらいいのか。ここからのダイエットは本当に大変でした。体重も減らないし、減ったとしても筋肉が落ちてしまい、頬もたるみ「さて、困ったぞ」と(笑)。

ジムはすでに週5で通っているため、健康的に痩せるにはもう一度、食事の見直しをすることにしました。今度はきちんとプロにアドバイスしてもらうことにしたのです。

管理栄養士やダイエットのインストラクターなどさまざまな業種の方がいる中、最終的にはボディビルダーのインストラクターにお願いをすることに。体と食事、両方のバランスを兼ね備え、アドバイスできる方のほうが今の自分には合っていると感じたからです。SNSでアップしているボディメイクを拝見し、これだけ体作りをしていればきれいに痩せる食事方法も知っているに違いない、と。
これが大正解でした!

 


●ボディビルダーの食事指導は気になる! ぶっちゃけインタビューしてみました


サラリーマンからパーソナルジムのトレーナーへと転身し、プロのボディビルダーへ。自らのボディメイク方法をTikTokにアップしていてフォロワーは1.7万人超えのあーちゃんこと田部井翔さん。
「コロナ禍でセルフケアをする人がとても増えました。ボディメイキングをするうえで食事のケアは欠かせません。最初はボディビルダーの方に食事のアドバイスをしていたのですが、SNSを通して一般の人から『食事のアドバイスをしてほしい』と依頼があり、受けています」(田部井さん)。
TikTok:パーソナルトレーナーあーちゃん @asuka.fit

Q ボディビルダーと一般人のダイエット目的とでは指導する内容が異なるのでは?

「基本は変わりません。その人のなりたい体を作っていくわけですからね。竹内さんもそうですが、一般の方はダイエット目的がほとんどで、何をどれくらい食べたらいいか教えてほしい、と言います。細かなレシピというよりも今日は豆腐でタンパク質の補充を、お肉を食べるなら脂質を抑えられる鶏のささみを食べてください、というような指導になります」。


Q オンラインでの食事アドバイスの内容は?

基本のルールは、「1日の摂取カロリー < 1日の消費カロリー」という方程式を守ること。
例えば、一般的な女性(身長160センチ・体重55〜58キロ)の1日の消費カロリーは1600〜1700kcalになります。摂取カロリーの設定を1400〜1500kcalにすれば脂肪が燃焼し、理論上は痩せていきます。3食のごはんの写真を見ながら消費バランスを考え、次に摂ってほしい食材や量のアドバイスをします。

竹内さんの場合、平日はジム通いをされているので消費カロリーが他の方より高いんです。運動量はこのままキープしてもらい、「2ヵ月半で体脂肪を3%減らす」という目標を掲げました。

 

昼・夜の献立の一部。鶏のささみやつくねハンバーグなどダイエット食とは思えない出来栄え。「ダイエット食と感じさせないようなメニューは意識しました。これなら友人が家に食べにきても美味しく食べてもらえますし。朝ごはんはジムの後にプロテインとバナナ半分が定番になっています」(竹内さん)
 

――竹内さんの指導をしてみて、いかがですか?

画像を拝見し、いつも感心していたんです。1食の総カロリーも抑えられていて、栄養バランスもまぁまぁ良かったです。ですが、減量を意識しすぎて脂質と炭水化物が不足してしまい、バランスの悪い体になっていたため、茹で卵を食べるようにアドバイスしました。茹で卵は脂質もたんぱく質も摂れるダイエッターにはありがたい食材なんです。小腹が空いた時もおすすめですよ。


Q 摂取カロリーを守っていれば、痩せられますか?

理論上はそうなります。総カロリーを超えなければ好きなものをバランス良く食べてOKと言っています。ですが、甘いものやお酒、ラーメンなどの高カロリーの誘惑もあり、「わかっちゃいるけど止められない」こともありますよね(笑)。ダイエットは一進一退、リバウンドとの繰り返しで徐々に痩せていく人が大半です。ですが、リバウンドがあった時に辛くて止めてしまう人が多いんですよね。だから100点満点のダイエットを目指すより、70点くらいをゆるーく続けるくらいがちょうど良いんです。
僕は最初のヒアリングで、止めたくないモノやどうしてもこれだけは食べたいモノも教えてもらいます。竹内さんも「アイスクリームは食べたい」と申告があったので(笑)、それを考慮したカロリー計算をしました。

――ダイエット中でもアイスクリームは食べられるということですか?
はい。「ダイエット中は食べてはいけない」ではなく、「ダイエット中でも食べられる」方法を見つけてあげることを考えています。例えば、唐揚げを食べたいと言われたら「ダメ」ではなく、「週に1度、小さな唐揚げを2個まで」にするとか。さらに野菜中心の副菜や白米の量のアドバイスも一緒にすれば、楽しく食事をすることができるでしょう? 

――お酒はどうですか?
別の方から「夜ごはんは必ずお酒を飲みたい」という依頼があった時も、普段の飲むお酒の種類や量を教えてもらってから摂取カロリーを算出しました。飲む量も多く、食事の工夫を他の人より強いられる形になりましたが、スタートから2ヵ月間で5キロのダイエットに成功しています。お酒を止めなくてもダイエットはできるんですよ。


竹内さんに実際に指導してもらって変わったことを聞いてみると、
「プロならではのアドバイスがとても参考になりました。3食の画像だけで足りない栄養素を言い当ててくれるのは助かるし、急な会食が入る時や、お菓子やアイスなどの誘惑に負けてしまった時もリカバリーできる方法を丁寧に教えてくれました。食事指導でどれだけ効果が出るか半信半疑でしたが、体脂肪率も最終的には4%減りました!」(竹内さん)。



20キロ減のダイエットは「未来への投資」


コロナ自粛期間中だからこそ、自分に向き合い、手間をかけられたのかもしれません。ですが、この時の経験がものすごくタメになっていて、精神的に強くなり「何とでもなる」と前向きに考えられるようになりました。この歳になると自分の仕事や子育て(娘が大学受験の真っ最中でした)、そして親の介護など予測しないことが次々とやってきます。ライフスタイルが大きく変わるタイミングで自分と向き合えた事は良かったですね。

ダイエットのきっかけになった“企み”も、反響がありました。リモートワークから出勤するようになり、会社へ行くとみんなが驚くんです。「きれいになった」と褒められるのは素直に嬉しかったし、励みになりました。
さらにおまけといいますか、ダイエット中に食材の素晴らしさに目覚め、フランス生まれのオーガニック食材にハマり、知人の紹介でこのブランドのPRのお手伝いをすることになりました。まさにダイエットで道が拓けた形なんですよ。

 

左から、
①貝印の人気アイテムSELECT100 調理器セット。「手になじむ設計で、ほとんどの野菜の下ごしらえはこれでOK。時短アイテムなのでギフトにもおすすめ」
②サラダやパスタに混ぜるサンドメニコのオーガニックEX バージンオリーブオイル。「いろいろなオイルを試しましたが、軽くてどんな料理とも相性が良かったです」
③コーヒーの香りと味がしっかりする、アラビカコーヒーのデカフェ。「食後に飲めるのは嬉しい。夜にカフェインを控えるようになったら睡眠の質も上がったような気がします」
④⑤ジムから帰ったらキアラピュアフーズのオーガニックプロテイン(カカオ)イソラビオのアーモンドミルク(無糖)で割ってスムージーを。「たんぱく質と植物繊維が摂取できるカカオ風味が濃いプロテインは美味しくて飲みやすいです」(竹内さん)

「貝印のキッチンツールは本当に便利。このSELECT100 調理器セットはスライス・千切り・おろしに対応可能で、友人にもすすめています。『ビオセボン(Bio c’ Bon)』のオーガニック食材にハマったきっかけは味と風味の良さ。オーガニックコーヒー(左から3番目)は特にお気に入りだそう。「大のコーヒー党でしたが、あーちゃんさんから『夕方からカフェインを控えるように』とアドバイスを受け、デカフェを探したら行き着きました」(竹内さん)。

 

今もダイエットは継続中。次は体の使い方が気になるようになってマシンピラティスを始めようと思っています。あんなに運動嫌いだったのに体が軽くなるとフットワークが軽くなり、最初の1歩が出やすくなりました。行動力だけでなく気持ち的にも変化があり、50歳の記念に銅版画の個展も開いたし、若い頃から夢だった短期間の語学留学も叶えました。

趣味で続けていた銅版画の個展を昨年の10月末に開き、仕事仲間や友人が観に来てくれました。この時に制作した作品をスペインのコンテストに応募したら最終選考にノミネートされたんです! 残念ながら受賞はしませんでしたが、いつかはグランプリを獲りたいです。


竹内さんはダイエットの方法を模索しながら、途中から「困ったことがあればプロの指導を仰ぐこと」でダイエットの成果を形に残せたと言います。自分でできることは自分で、プロに任せるべきことは任せ、結果を出す。このメリハリが成功の秘訣なのかもしれません。ダイエットを楽しみながら未来への投資をしてみませんか? 


撮影/後藤渉
ヘアメイク/山下美紀
取材・文/長谷川真弓
構成/國見香
 

 


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