作家・ライターとして、多くの20代~40代の男女に「現代の男女が抱える問題」について取材をしてきた山本理沙。その赤裸々な声は、まさに「現実は小説より奇なり」。社会も価値観も変化していく現代で、結婚や男女関係についての悩みは非常に多いようです。

今回取材を受けてくれたのは、愛妻家だったはずの夫に束縛されるようになり、その束縛行動がどんどん悪化、そして離婚問題にも発展したという麻衣さん(仮名・37歳)。一時は友人家族との連絡すら制限され、家から出られない状況にまで陥ったと言いますが、異常とも思える夫婦関係を詳しく伺います。

「男の目を引く服は、頭が悪い女が着るんだよ」VネックやタイトスカートはNG...妻の服に口出しする束縛夫の異常行動<br />_img0
 
取材者プロフィール
 麻衣さん(仮名):37歳。
職業:会社員
家族構成: 8つ年上の夫、6歳の男の子
 

実年齢よりずっと幼く見える妻。その理由は...
 

取材に現れた麻衣さんを見てまず受けた印象は、年齢よりもずっと若く、20代前半のようにも見えることでした。小柄で華奢な体つきに、丸みのある瞳が印象的な童顔の可愛らしい顔。若い、というより、失礼ながら幼いというほうが合っているかもしれません。

フリル付きのピンクのブラウスとボリュームのあるロングスカートが、その印象を強めているようでもありましたが、聞けば、麻衣さんの夫は妻が少しでも露出のある服、身体のラインが出る服を着るのを嫌がり、基本的には夫の好みに合わせて服を選んでいるそう。

「今も彼が本当は優しい人なのか、ただ束縛心や支配欲が強いだけのダメな人なのか、よくわからないんです。でも私にも情はあるし、息子はパパが大好き。男の子を育てていくうえで父親の存在は大きくもあり……。今後どうするか、常に迷っている状態です。できるところまでは夫の向き合い、改善していけばいいと思いますが」

一時は夫婦関係が悪化し、お互いの親にも離婚相談をしたほどだったと話す麻衣さん。現在は夫婦カウンセリングに通ったり、必要に応じて距離を取りながら関係修復に向けて試行錯誤をしていると言います。

「彼は家族思いだし、良い夫の面も確実にあるんです。そもそも完璧な夫婦なんていないとも思うし。でも、これが私が夫につけ込まれる隙だ、甘い、という友人もいるんですが……夫婦って本当に難しいです」

麻衣さんのお話の中では、「それは正直離婚したほうが良いのでは」と思うエピソードがいくつもありました。しかしそれでも彼女が夫と向き合い、少なくとも現在は関係修復を目指している経緯を伺います。