「いつかはリノベーションをしたい」と思っている人は多いのではないでしょうか? 新築あるいは中古物件でも、入居したそのままで暮らしている人がほとんどだと思います。「もっと収納スペースがあったら」「もっと使いやすいキッチンだったら」といった実用面での問題や、「床をじゅうたん敷きにしたい」「ドアや戸棚を塗り替えたい」といった希望まで、うっすらとした不満を抱えながら日々を過ごしていませんか?
人生100年時代。“いつかは”の決断を早めれば、より長い時間、その居心地のいい空間で暮らせることができます。とはいえ「今すぐ、というのはハードルが高い」と思っている方へ、行正り香さんが模様替えで部屋を生まれ変わらせる方法をご紹介します。行正さんのご友人のお部屋が激変した実例をご覧ください。
「友人から、『いつかリノベーションをしたいと思ってる』という話を聞いたので、ある週末、おうちにおじゃまして相談しましょうということになりました。ところが、伺ってみると、おうちは整理整頓されていてとてもキレイ。いざリノベーションという前に、まずは今ある家具や装飾物でお部屋はもっと心地よいものにできるよ! と提案してみました。キレイに掃除された友人宅には、大きな問題が3つありました。
その1:テレビがリビング・ダイニングルームの中で一番目立つ存在、“フォーカルポイント”になっている
その2:ペンダントライトの位置が高く、ほかの家具も配置に“中心点”が定められていないから、バランスが良くない
その3:大きな白い壁に装飾が少ないため、寂しい空間に見えてしまう
上記の3つのポイントを改造すべく、(わが子を含む)女子チームで模様替えをスタート! まずは家具の移動から。テレビボードを壁の反対側に移し、ソファーをテレビがあったところに移しました。ソファーが占領していたところに広々とした空間が現れました。次に、ダイニングルームに吊るされていたペンダントライトの位置を下げ、ライトがセンターとなる位置にダイニングテーブルを配置。さらに、壁際のサイドボードの位置もテーブルのセンターと揃えることで、配置バランスを整えました。
何も装飾がなかった寂しい壁には、寝室にあった赤い絵を持ってきてかけました。そのほかにも、手持ちの赤い小物を集めて色を繋いでみたら、あら素敵! 赤い色と観葉植物の緑色とのコントラストで、インパクトのあるお部屋になりました。帰っていらした旦那さま、「引っ越ししていないのに、引っ越したみたい!」という驚きの感想。喜んでいただけて、私も幸せ。改めておじゃまして、素敵なワインをいただくことになりました(笑)。
心地よい部屋を実現させるのに重要なのは、お金をかけることだけではありません。部屋のフォーカルポイント(その空間で一番中心となる存在)を定め、中心点を見つけてバランスよく家具を配置するだけで、部屋は劇的に生まれ変わります。ぎっくり腰に気をつけながら(笑)、お時間のある週末にトライしてみてくださいね」
2024年6月13日発売! 行正り香著
『人生を変えるリノベーション』
ロングセラー&ベストセラー『行正り香のインテリア』『行正り香の家作り』に続く、インテリア本第三弾
1)間取りと家具のレイアウトを見直す
2)リノベーションか模様替えか
3)部分リノベかフルリノベか
4)理想と予算の問題
5)照明デザインと家具の配置
6)家具・絨毯・カーテンの選び方
7)リノベの仕上げは個性をどう出すか 〜ほか
40代子育て中のファミリーから、50代のひとり暮らし、子どもが巣立った後の50〜60代夫婦まで、行正さんが監修したマンション・戸建てのリノベーションと模様替えの実例をご紹介。「家作りとリノベ前に知っておくべき10のコツ」、居心地のいい住まいのための「インテリアルール」についてわかりやすく解説した1冊です。
>>>Amazonはこちら
>>>楽天ブックスはこちら
写真・文/行正り香
Comment