栗原はるみさんは、およそ40年の料理家人生の中で、たくさんのレシピ本を刊行してきました。
大ヒット作も数あるなかで、「隠れた名作」と名高いのが、講談社の『おいしいね、電子レンジ』です。今年、栗原さんは30年ぶりに電子レンジレシピを見直し、よりおいしく、さらに手軽に、料理を進化させました。
長年、栗原さんの電子レンジレシピを愛用している雑誌『栗原はるみ』スタッフが、その魅力を思い入れたっぷりにお伝えします!

発売中の雑誌『栗原はるみ』5号の別冊付録が、電子レンジレシピです。
 


『おいしいね、電子レンジ』から30年


ひとり暮らしから、大家族まで。
世界中のどんな家庭にも、今や電子レンジは欠かせません。日本で家庭用の電子レンジが発売されたのは、1960年代のこと。

筆者は70年代生まれですが、子どもの頃の電子レンジといえば、「温め直し・解凍するためにある家電」。
“調理器具”という認識は、ありませんでした。卵をそのまま入れて加熱したら大爆発。使い方を間違えると、何やらアブナイ機械くらいに思っていました。
10代で料理をするようになってからも、じゃがいもやきのこを下ゆでするくらいにしか使ったことがありませんでした。

大学生になってひとり暮らしをしたとき、小さなワンルームに付いていたのは、電熱の一口コンロ。
これは今でもそうなのでしょうか。まな板を置くスペースすらなく、料理をするのに苦労しました。
スパゲティ一つ作るのにも、麺をゆでる、ソースを作る工程が併行できないので、なかなかうまくいきません。

そんな時、救世主のような本に出会ったのです。
栗原はるみさんの『おいしいね 電子レンジ』。電子レンジは、シンプルなものを持っていました。そしてこれだ! とばかりに、いろんな料理に挑戦しました。パスタはもちろん、メインディッシュも、デザートもレンジで作れるようになりました。

長くお世話になってきた愛蔵本。ずいぶん使って、あちこち汚れが……。

結婚する前、夫が暮らしていたワンルームも、キッチンは同じような状況だったので、電子レンジを駆使して料理をしました。
「てり焼きチキン」を作ったときの、彼の喜びようを今でも思い出します。「胃袋を掴んだ」としたら、それは間違いなく栗原さんの電子レンジレシピでした。

 

栗原さんといえば『ごちそうさまが、ききたくて。』ですが、同世代の人たちとは、「『おいしいね、電子レンジ』、よく使ったよね〜!」と共感することもしばしば。この隠れた名作も、一時代を作った一冊だと言えるでしょう。

“試作の修験者”が作ったレシピなら間違いない


栗原さんは、自身のインスタグラムでもたびたび記しているように、同じ料理を繰り返し試作します。
何度でも、納得できる味になるまで。誰が作っても同じ味が再現できるように、分量には特に気をつかうといいます。
代表的なレシピも、「この方がおいしい」と思えば、材料や分量を変えていきます。その姿勢はまさに、試作の修験者。どれだけキャリアを積んでも、手を抜くことはありません。

30年前に刊行された『おいしいね、電子レンジ』でも、夥しい数の試作を重ねたそう。
当時、電子レンジで調理をするというイメージは一般的ではありませんでした。今ほど高性能ではありませんでしたし、メーカーによっても違いがあったことでしょう。
新しい調理器具で作るレシピの分量出しは、相当大変だっただろうなぁ……と、現在の栗原さんの仕事への取り組み方を見ていると、想像に難くありません。

雑誌『栗原はるみ』5号の付録は、電子レンジのレシピ集です。
あれから30年、よりすぐりの電子レンジレシピを、栗原さんはまた何度も試作し、改良を重ねて、一冊にまとめてくれました。

 
 
 

電子レンジで作ったとは思えない、トマトソースやカレーなどの煮込みから、お弁当にも便利なそぼろ(なんといり卵もレンジでできます!)、魚の蒸し物といったおもてなし料理まで!
基礎的なコツはそのままに、より簡単で、おいしくなった電子レンジで作るメニュー。ぜひご家庭でお試しください。


雑誌『栗原はるみ』5号
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5号目のメイン特集は、『気持ちいい、朝時間』。おいしい朝ごはんのレシピ、栗原さんの5時に起きてからのスケジュール……。充実した一日にするために栗原さんが提案する、気持ちよい朝の過ごし方とは? 

そして別冊付録は、誰もが「この料理が、チンしてできるなんて!」と驚く、手軽に作れる電子レンジのレシピ集。レンジを使うことは手抜きじゃない、むしろおいしく作れる料理を、自信をもってお届けします。他にもカレー特集、レシピ付きポストカードの付録など、盛りだくさん。何度も読み返したい、保存版です。

メイン特集『気持ちいい、朝時間。』

 

気持ちのよい朝を迎えられれば、その日一日が、充実した楽しい時間になる。朝5時に起きる、栗原さんのモーニングルーティーン、そして忙しい朝にもぴったりな朝ごはんのレシピとは?

①    朝のおでかけ
代々木公園を散歩する/思い出のホテルでビュッフェを/農園で野菜を採って食べる 

②    朝、欠かさずにやっていること

③    とっておき、朝ごはんレシピ  
トマトピザトースト/フレンチトースト/鶏肉のにゅうめん/たらこおにぎり/
ハムチャーハン/あっさり鍋焼きうどん/手作りロースハム/手作りツナ など
 

料理特集 『いつものカレー、カレーに合うおかず。』

 

手軽にルウで作るカレーから、スパイスのきいた本格的なカレーまで。栗原さんが伝えたいカレーの基本レシピ。そして、あるとカレーがおいしく食べられる副菜も紹介します。

チキンカレー/ドライカレー/ビーフカレー/豚肉のトマトカレー/
えびのココナッツレモンカレー など


2つの『特別付録』

①別冊『電子レンジだからこそ、おいしいレシピ。』

 

電子レンジを使うことは、手抜きじゃない。おもてなしの料理からおやつまで、チンするからこそ、絶対おいしいレシピを一冊にまとめました。

煮込まないトマトソース/いろいろ使えるゆで豚/レンジで5分、そぼろ2種/
ゆでなくても簡単、野菜の調理/おもてなしになる蒸し料理 など


② とじ込み『レシピ付き 朝ごはんポストカード』
大切な人に、おいしい朝ごはんを食べてほしいから。レシピをおすそ分けできる、オリジナルポストカード。キッチンに置いておけば、いつでもレシピを見られて便利です。


連載『自分のために、ひとりごはん。』

 

ひとり暮らしだからこそ、自分が食べたいものを、好きなときに楽しく食べたい。残りものもおいしく食べきりたい。そんな想いを込めた、一人分のレシピを紹介します。

サラダチキン/しょうがの炊き込みご飯/おかゆの豆腐あんかけ/花椒そぼろ/豆乳もやし坦々麺/卵だけのカルボナーラ など
 

ファッション特集『白いブラウス。』

 

何枚持っているかわからない、大好きな白のブラウス。カジュアルにも、かしこまった場でも、栗原さんらしい着こなし。


文/山野井春絵
構成/栗原はるみ編集部
 

 

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