今はSNSでだれでも情報を発信できる時代。あなたが知りたかった情報は、誰かがもうネットの海で発信しているかも。本特集は、ミモレ編集部から「新たな視点を得ることができる」「癒しになる」「知らない世界のリアルがわかる」情報をSNSで発信し、密かにバズっている人=「バズり人(びと)」さんのSNSアカウントをご紹介します。

第九回は、「おうち英語」で二人のお子さんを日本の普通の家庭でバイリンガルにした体験談をX(旧Twitter)で日々発信し続ける「ちえみ@英語という贈り物」さんにインタビューしました。
ちえみさんは、大人になって英語をやり直し、通訳学校を経て、日英通訳・翻訳者に。現在は、二人のお子さんを「おうち英語」でバイリンガルに育てた経験をもとに、高い教材や英会話レッスンに通わなくても、おうち英語のノウハウを伝えるブログやオンラインコミュニティ「おうち英語の会」を主宰しています。

 

「おうち英語」では、子どもの言語習得のメカニズムを正しく理解するのが大事


――「おうち英語」とはどのようなものなのでしょうか。

 

ちえみさん:決まった定義はないのですが、今って小さいお子さんを英会話教室やプリスクールに行かせたり、英語教育を早期からやらせるのがブームになっていますが、 そういう方法ではなく、自宅で英語に触れさせること=「おうち英語」と一般的には言っていると思います。ですが、私が言っている「おうち英語」というのは、ただ単に英語に早くから触れる、親しむとはちょっと違っていて、「母国語を習得するのと同じ感じで、英語も第二の母国語として習得させるための環境を作ること」としています。


――お子さんが二人いらっしゃって、バイリンガルに育てたというポスト(投稿)がありましたが、ちえみさんご自身の「おうち英語」の一番のポイントは何だったのでしょうか。


ちえみさん:「おうち英語」で一番大事なのは、「子どもの言語習得のメカニズムを正しく理解すること」だと思っています。そこがわからずに、「なんか早いうちに英語教育を始めるといい」ということだけで始めちゃうと、落とし穴にはまることが多いんです。

英語ってみなさんこれまで学生時代に勉強してきているじゃないですか。なので、自分がやってきた英語学習の常識を子どもにも当てはめてしまうんですが、それがうまくいくとは限らないんです。

大人と子どもの言語習得のやり方は違う

子供の言語習得のメカニズムを正しく理解して腑に落ちていれば、親である自分が焦ったり悩んだりすることが減って、無理せずに長く続けやすいんです。 で、長く続けられると、成果が出やすいんです。


――「おうち英語」は簡単だけど難しいのが「親の自我のせい」というポストがありましたがこれはどういうことなのでしょうか。


ちえみさん:子どもの英語習得って英語を身につけているインプットの段階で、必ずアウトプットとして出てくるものだとは限らないんです。なぜかというと、日本だと全然英語なんかなくても日本語だけで済んじゃう環境だからなんですよ。
大人や大きくなったお子さんの場合は、英語の成績を上げたいとか、英語が喋れると役立つからといったメリットがありますけれど、お子さんの場合はそういったメリットがないので、すぐにアウトプットとして出てこないことがあります。

私自身もそうだったのですが、親が自我を出してしまう=「安心したいから」「子どもが英語を喋っているところを見たいから」といった気持ちを抱いてしまうと、英語習得の障害になることが多いんですよね。
なので、まずは子供の言語習得のメカニズムを正しく理解してほしいんです。でもメカニズムを理解した上でも、親の「成果を出してほしい」という気持ちが知らず知らずのうちに出てしまうので、「あっ今、親の自我が出ているな」と自覚してほしいんです。
自覚すると、結構自我から出る気持ちを抑えられて、英語習得が長く続けられる。長く続けられると身につきやすくなる、という流れができてきます。


――英語習得を続ける上で、親が「成果を出してほしい」という自我が出ているというのを自覚することがポイントになってくるんですね。

 
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