親を拒絶する子どもの中で起きていることとは?

 


【お悩み①】
Q:これまでもよそよそしい雰囲気はありましたが、ある日突然自分の部屋のドアにデカデカと「立入禁止」の張り紙を貼ってきました。ノックをしても「入ってこないで」の一点張りで。完全拒否されているようで寂しいし、どうして急にこんなことになったのかも分からず親も混乱しています。部屋で何をしているのかも気になるし……。ひとまずこの張り紙をやめさせたいのですが、何か方法はありますか?

 


A:立入禁止と書いてあるのにノックするのは無神経

ある日いきなり部屋にそんな張り紙を貼られたらびっくりしますよね。話しかけても反応なし、帰宅してもリビングは素通りで自分の部屋に直行、何を考えているのか分からない……。お子さんの状況は思春期・反抗期の典型とも言えます。

部屋の中で何が起きているかと気になるのも分かります。しかし今、子どもは自我の形成のために苦闘している最中なのです。外出先のドアに「立入禁止」と書いてあったら普通は入りませんよね。

この時期をできるだけ順調に切り抜ける方法としては、子どもをリスペクトし大人扱いすることです。そのためには大人が一歩引き、大きく構えて見守ることが必要です。部屋から出るよう強要したり、張り紙を無理に剥がさせたりするのは得策ではありません。

人と接したくないときは大人にもあるもの。普段以上に余裕がないときやイライラしているときなどは特にそうです。思春期の子も同様です。例えば友達とのラインで良い返信が書けずに考えあぐねているとき、学校で起きたことについて悩んでいるときなど。

そもそも思春期の子に良い反応など期待できないのに、こんなときに話しかけてもうまくいくはずがありません。相談者のお子さんの場合もこちらからはしつこく詮索せず、トラブルを抱えていて悩みを聞いてほしいときなど、向こうから話しかけてくるタイミングを待ちましょう

そして話しかけてきてくれたら、とにかく話を共感的に聞くことです。例えば、子どもが「私は悪くないのに先生に怒られた」と言ったとき、「先生の話を聞いてなかったからでしょ」「いつも態度が悪いからよ」などと跳ね返すのはよくありません。こういう正論を押し付けていると子どもはますます何も言わなくなってしまいます。