お金持ちが「幸せ」から遠ざかる原因は……

 

一般に収入が多いほど、幸福度は高くなります。ただ、それは一定の収入まで。例えば、大阪大学の筒井義郎教授らの調査では(2005年当時)、年収500万円までは収入が増えるほど幸福度も上がりますが、そこから900万円までは横ばい。年収1500万円以上になると、収入が増えるほど幸福度は少しずつ下がります。

内閣府による令和元年の調査でも、最も生活満足度が高いのは世帯年収2000万〜3000万円の層で、それ以上になると生活満足度は低下します。世帯年収1億円以上の「最富裕層」の満足度は、年収700万以上〜1000万円未満の人たちよりも低いと報告されています。

 

貧困は不幸を招きますが、多額の資産は幸せを遠ざけるのです。
お金持ちが幸せから遠ざかる原因は、信頼の不足。すなわち愛の不足です。

私が過去の本で紹介した大学の学術調査によると、先ほど申し上げた通り、神社仏閣が身近にあると、なぜか人への信頼が高まり、与え合いの気持ちが高まり、同じ地域に住む人たちへの愛情が向上します。このことが「お金持ちって実は幸せじゃない問題」を解決するのです。

人を信頼できるかが、お金持ちが幸せになれるかどうかの分かれ目です。

お金持ちの状態で人間不信なら、「お金を奪われやしないか?」「こちらの意に反して一方的に利用されやしないか?」と、周りを警戒し、心配します。これでは大金を稼げるからこそ、精神的に辛いし怖くなります。

一方、周りはいい人が多いと信用している状態だと、お金をたくさん持っていることは、ありがたいことです。楽しいこともたくさん経験できるし、困っている大事な仲間を助けられます。

まとめますと、神仏祈願で幸せになる仕組みは人への信頼と相互協力の向上。お金持ちに限らず、全員に当てはまることですね。