怨霊は、災難を避ける厄除けや縁切りの神様に

 

怨霊を祀る神社は、かつてひどいことをした相手を神様に祭り上げて、「どうか祟らないでください」と、怒りの心を鎮めていただくようお祈りする場所です。崇徳天皇は生前、悪意ある意地悪をされ続けました。神様になると、生前の挫折や苦しみが逆転してご利益になります。怨霊なら災難を避ける厄除けや縁切りの神様として人々に頼られます。崇徳天皇は三大怨霊ですから、最強の厄除け・縁切り神でしょう。
 

 


崇徳上皇が讃岐国に配流された時に金毘羅権現(通称こんぴらさん)を信仰したことで、こんぴらさんの総本宮・金刀比羅宮(ことひらぐう)や前述の安井金比羅宮で、崇徳天皇がこんぴらさんと一緒に祀られています。

「怨霊の神社に参拝するなんて、ちょっと怖い……」

ご安心ください。崇徳天皇が恨んでいらっしゃるのは、鳥羽天皇や後白河天皇およびその一派なので、あなたを恨んではいません。

「崇徳天皇って普通の人間だよね。なのに神様っておかしくない?」

神道の神様は2タイプいて、自然神とご先祖さまです。自然神は太陽や月、風、土、海、山、水など自然物です。一方、ご先祖さまは普通の人間です。同じ人間の大先輩だからこそ、我々の悩みや苦しみに共感し、希望を理解してくれます。また我々の方が神様に共感し、「崇徳天皇は私みたいだ!」と神様に自分を投影したりもします。