日本では万人に愛される清潔でピュアなイメージを1ミリも崩すことなく、肌の露出も控えめにコツコツと活動実績を積み上げてきた「東方神起」さんですが、今回のツアーは違っています。くりっとした瞳の弟分チャンミンが、ツアー2日目で“素肌にジャケット”のボタンをはずしたため福岡ドーム全体が地団駄で揺らぎ、バレンタインデーにはアンコールでTシャツを全脱ぎして水を浴びてしまったらしく札幌ドームには悲鳴がこだま。ホワイトデーに至っては、ブルゾンを脱いでインナーの黒メッシュタンクトップ1枚になったおかげで京セラドームはアダルトなムードに包まれてザワザワしちゃいました。いままで通りでも十分楽しいのに、いろいろがんばってくれる研究熱心な「東方神起」さん。そんな「東方神起」のチャンミンさんのニックネームがバンビなので、大阪でのコンサート前に奈良公園の神鹿さんと戯れてきました!

「奈良ホテル」は山を少し切り崩して建てた歴史あるクラシックホテル。奈良公園には歩いて15分ぐらいです。近くにある料理旅館「江戸三(エドサン)」も人気らしく、次回はそちらもよさそう。
坂道は後ろ向きで引っぱるんだなぁとしみじみ。申し訳ない! と思いながらも20分で6000円なので「お兄さん、よろしくがんばれ!」と思っちゃいました。鹿に注意のサインが奈良ならでは。

ホテルから人力車で奈良公園まで。徒歩15分ぐらいの距離ですが、アップダウンがかなりキツそう。でも、きっちり観光案内や記念撮影も忘れない大和屋の小柄なお兄さん。一時は30数頭まで減ってしまった鹿は、1300頭ぐらいに増えていまは安定しているとか。鹿さんたちは、交差点も交通の流れを見ながら慎重に渡っています。人力車を降りて、さっそく鹿せんべい(150円)を購入すると背後から「ギーー、ギーー」という聞き慣れない音が。鹿の鳴き声でした。6歳の頃、奈良公園の鹿に思い切り頭突きを食らって気絶した私も、いまや鹿を見下ろすほど成長したので、おせんべいを差し出すとおとなしく食べてくれます。「やだっ、つぶらな瞳がだいぶ可愛いかも♥」なんて思っていたら、たちまち数頭に囲まれました。コートを噛んで引っ張ったり、湿った鼻や頭をこすりつけてきたり、360度のおねだり攻撃にあわてて退散。後日、地元の友人に聞いたところ、「もうおせんべいはありませんよ~」と手を広げて見せるだけで、鹿さんは納得してくれておねだりをやめるそうです。知らなかった。おりこうなのね。

  • 交差点を一列で横断中。鹿さんはみなさん、おっとりゆっくり歩きます。
  • 柿の葉寿司とおせんべいの匂いにひきつけられたのか、舌をぺろりと出している鹿。鼻が利くのでしょうか?
  • おいしそうに一気食いするので、私もちょっと食べてみたら、普通においしかったです。昔はもっと味がなくて不味かったのに。

さて、そのまま歩いて東大寺へ。東大寺二月堂修二会(トウダイジニガツドウシュニエ)は、752年から現在まで一度も途絶えることなく続けられてきた国家安泰等を祈る祈願法要。この「お松明」と「お水取り」が終わると本当の春が来ると奈良ではいわれています。「お松明」は修二会の期間中、毎日行われていますが、深夜に「お水取り」が行われる3月12日の「お松明」は松明の大きさや本数も多く、たくさんの観光客が訪れるとか。この日が最大の混雑と聞き、16時30分に二月堂前に到着。すでにかなりの人が並んでいましたが一陣目にぎりぎり入れてもらえました。19時30分から順番に二月堂の下を通り抜けてお松明を見るのですが、一陣目は長く見ていられるのでラッキーです。準備万端、コールマンの折り畳み椅子(1620円)を持参し、ホッカイロ2個貼り、柿の葉寿司と豆菓子「御神鹿のふん」を食べながら、寒空の下で待つこと3時間! 照明を落した暗闇に松明が浮かび上がり、厳かだけど高揚感もあって、さすが“火と水の行法”です。この日は深夜2時にお香水(コウズイ)を汲み上げ、お供えする「お水取り」があり、例年、数百人の方が行くと聞き、せっかくなので私もと思ったのですが・・・・・・・。すっかり身体が冷え切ってしまい、晩ご飯にお酒を少し飲んだのが失敗。寝落ちてしまいました。

翌日の新聞によるとこの日は2万人の人出だったとか。日が落ちて寒さに耐えられなくなった頃、奈良県警のお巡りさんの2人(上司と岡部君)がお水取りトークで観光客をほぐしてくれました。関西の人は基本的にお笑い上手(私は関西出身だけどもうダメ)。
二月堂の横をゆっくりと通り抜けて帰路へ。大きな籠松明なので、遠いけれど迫力は十分。火の粉も盛大です。

京都とはまた違って、見るべきものが多いのに流れる時間や空気はゆったりと穏やかな奈良。改めて、じっくり時間をとって訪れたいと思う場所でした(次回はバンビを手なづけたい)。