美しい風景、お気に入りのお店や場所、家族の楽しそうな笑顔。旅の思い出はできるだけきれいに残したいですよね。今回は、数々の雑誌で活躍するカメラマンの古谷勝さんに、写真を撮る際のキホンから実践しやすいテクニックまでを教えてもらいました。なかには意外な裏ワザも。これであなたの写真が劇的に変わるかも?


<Q.1>スマホとデジカメの違いは? やっぱりデジカメがいいの?

A. スマホでも十分きれいに撮れます!

 
 

上の写真は、いずれも古谷さんがスマホで撮影した写真。こんな写真が撮れたら思わず自慢しちゃいますね!
「スマホは画面全体にピントが合うので、カメラというよりも風景をそのままスクショする感覚に近いです。とはいえ今のスマホはびっくりするくらいきれいに撮れるので、デジカメと比べても全く遜色なく、十分きれいな写真が撮れますよ。とくに下の写真は、いつも持っているスマホだからこそ撮れた一枚ですね」


<Q.2>カフェなどの身近なシチュエーションを、もっと上手に撮るには?

A. 自分が見せたいものに集中する

 
 

カフェでお茶した時など、おしゃれな雰囲気を写真に残したいのにイマイチ上手く撮れない、なんてことはありませんか? とくにグラスのような高さのあるものだと余計に難しかったりしますよね。さりげなく、でもいい雰囲気に撮るコツとは?
「何かひとつのモノを撮る時に一番大事なのは“何を見せたいか”を考えることなんです。ラテアート、氷の透け感、グラスについた水滴など、自分が見せたいものにぐっと寄って、それ以外のものはできるだけ排除してみて下さい。そして構図をとる時に最も基本となるのは“水平”であること。なので初心者さんはグリッド線(補助線)を活用するといいですよ」
グリッド機能は、デジカメはもちろんスマホにもちゃんと装備されています。iPhoneの場合は「設定」→「写真とカメラ」→「グリッド」をオンにするだけ!


<Q.3>街並みやお店の外観をいい感じに撮るには?

A. あらゆる要素を加えてごまかす

 

旅先では、食事をしたレストランなどを記念に撮っておくことも多いですよね。でもそういう時に限って外観が微妙……、なんてことも。そんな時は<Q.2>とは逆の方法がいいそうです!
「対象物だけでは絵が持たない時は、ほかの要素を加えて見る人の視点を散らすのがポイントです。店員さんや店の前を通り過ぎる通行人やバイクなどを入れると、いい感じにごまかせて雰囲気も出せます」

 

もうひとつ、別バージョンも。
「こちらはあるお店を“引き”で撮った写真。これはこれで雰囲気がよく伝わりますが、お店の可愛い感じをもっと際立たせるなら、その部分だけに寄ってしまうのも一つの手です」

 

「その“寄り”がこちら。お店のロゴがおしゃれだったのでドアだけに絞ってみました。前に車が止まっていたり、電柱で隠れてしまうなど、外観全体がうまく撮れない時にも使えるテクです」


<Q.4>天気がイマイチの時にいい写真を撮るには?

A. 色彩でコントラストをつける

天気がよくない時の写真が全体に暗くぼやけた印象になるのは、光が足りないことでコントラストが弱くなるため。ただ光の量はどうにもできないので、モノの“色”でコントラストを補うのがコツだそうです!
「少し季節がずれますが“あじさいが咲く梅雨時の風景”を想像してみてください。小雨が降っていて周りが多少暗くても、色でメリハリがつけば趣のある写真になるんです。あとは神社の赤い鳥居などもいいですね。逆に人物を撮る時は、元気な感じよりも、少しアンニュイな表情をした方が、まわりの雰囲気になじんでいい感じになります。写る人にはちょっと演技してもらいましょう(笑)」


<Q.5>人物を撮る時に、いい表情を引き出すコツは?

A. 相手が構えていない時を狙う

 

キメ顔ではない自然な表情をおさえるコツは、相手に“構えさせない”こと。
「これが一番難しいんですが、“今から写真を撮られるぞ”って思うと誰でも表情が硬くなるし、そうなったらカメラではどうにもできない。なので僕は相手を油断させるために、ひと芝居打つこともあります。普通に何枚か撮って、“はい、撮れたよー”って声をかけるんです。そうして相手の気がゆるんだ瞬間に一気に何枚もシャッターを切る。これ、意外とうまくいきます(笑)。ちなみに上の写真は、最初の一枚でおさえました。お店の人が構える前に撮った感じですね」
さすがプロ!


<Q.6>動いているものをうまく撮るには?

A. スポーツモード設定&10秒先を読む

家族旅行のほかにも運動会など、特にママさんは動いているものを撮ることが多いはず。ここぞ、という一瞬を逃さずにとらえる秘訣は?
「ここだ! と思ってからシャッターを切っても間に合わないので、すべてにおいて先回りすることが大切です。デジカメの場合は必ずスポーツモード(動く被写体を追いかけて自動でピントを合わせてくれる機能)に設定を。さらに被写体がこの後どう動くかを読んで、10秒後を撮るつもりで構えておくといいですよ」


<Q.7>写真が上達するコツは?

A. たくさん撮る&いい写真の真似をする

 

一枚の絵画のように幻想的なこの写真は、2012年の金環日食を撮ったもの。“この時間この場所でしか撮れないもの、そしてそれを撮れるのが写真”ということで、古谷さんお気に入りの一枚だそうです。最後に、誰でも写真が上手くなれるコツはありますか?
「とにかくたくさん撮ること、そして撮った写真から“どうすればもっと良くなるのか”といった反省点を探すことです。あとは、自分が“いいな”と思う写真はどんどん真似しましょう。続けるうちに、構図の取り方などもだんだん分かってくるはずですよ」
 

プロが教える写真講座、いかがでしたか? これからの遅い夏休み&秋の行楽シーズンでさっそく実践してみてくださいね。記事の感想などもお待ちしています! 次回は「極上スパのある国内宿3選」。こちらもお見逃しなく!
 

 
 
取材・文/山崎 恵 構成/川端里恵(編集部)
 

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