イギリスで人気の“ガストロパブ”って聞いたことありませんか? “ガストロパブ”とは、ガストロノミー=美食道とパブ――言うなれば、食べものがおいしい居酒屋のこと。ロンドン発祥のジャンルで、このガストロパブ「ビスポーク」を東京にオープンしたのが、野々下レイさん。今では夜な夜な日本の、そして世界のおいしいもの好きが訪れるこの店の人気の秘密は「すべてが自家製」であることなのです。そんな難易度大! でも絶品! なビスポークの料理を集めたレシピ本が新刊『おいしいもの好きが集まる店の 全部、自家製』。真の食いしんぼうだったら、必ず作ってみたくなるメニューが並んでいるこの本から、おいしい料理のコツの数々を野々下レイさんに教えてもらいます。
2週間かけて熟成感を。
ありそうでなかった「卵のピクルス」
お店で人気のサイドメニューが「卵のピクルス」。漬けかげんはお好みですが、1週間後くらいからが食べごろに。2週間ほどすると熟成感が出て、ねっとりした味わいが楽しめます。ありそうでなかった卵のピクルスは、ベーコンなどの肉料理、カレーなどの煮込み料理といった、しっかりめの味との相性が抜群です。
ちなみに写真はビスポークで人気の「皮つきのベーコン」。ひと口かじれば、カリカリの皮に脂身がジュワッときて、スモーキーな香りがフワッ……。こちらは仕上がりまで6日かけて作ります。
■卵のピクルス
材料(作りやすい分量/500㎖の瓶1本分)
ピクルス液
・白ワインビネガー 100㎖
・グラニュー糖 40g
・水 100㎖
・塩 大さじ1
・卵 10個
A
・ブラウンマスタード 小さじ1/2
・イエローマスタードシード 小さじ1/2
・ローリエ 1枚
作り方
① ゆで卵を作る(固さはお好みですが、やや半熟がおすすめ)。Aと保存瓶に入れる。
② 鍋にピクルス液の材料を入れて強火にかけ、沸騰させる。砂糖と塩が完全に溶ければOK。熱いうちに1に注ぐ。
③ 粗熱が取れたら冷蔵庫に入れる。
ガストロパブ「ビスポーク」と、野々下さんの『おいしいもの好きが集まる店の 全部、自家製』には、ほかにも、皮つきベーコン、ラムのロースト、ピート風味のスモークサーモン、牡蠣のスモーク、イングリッシュマフィンのハムサンド、にんじんとコリアンダーのスープ、大人用プリン……と絶品料理がいっぱいです。
『おいしいもの好きが集まる店の 全部、自家製』
野々下レイ著 講談社 1500円(税別)
夜な夜な日本の、そして世界の食いしんぼうが目指すおいしい場所――それが東中野のガストロパブ、ビスポーク。
ソーセージ&マッシュ、スモークサーモン、BBQポークスライダー、グラスホッパー(きゅうりのサンドイッチ)、にんじんとコリアンダーのスープ、そしてフィッシュアンドチップス――― イギリスからインスパイアされた料理がおいしいのはもちろん、この店の何よりの人気の秘密は「すべてが自家製」であること。
ケチャップやマスタードなどの調味料、食パンやバンズなどのパン類、燻製や腸詰めにいたるまで、出されるものすべてが料理人、野々下レイさんが試行錯誤を重ねた手作り。
この本では、「時短」「作りおき」では到底かなえられない、自家製ならではのおいしさをおうちで再現する方法をご紹介。真の食いしんぼうに読んでほしい一冊です。
・第1回「全部、自家製のパーフェクトバーガーって?【大人気ガストロパブ「ビスポーク」直伝①】」はこちら>>
・第2回「とろけるマッシュポテトの作り方【大人気ガストロパブ「ビスポーク」直伝②】」はこちら>>
野々下レイ
ガストロパブ、Bespoque/ビスポーク店主。大学卒業後、音楽を志ざしロンドンに留学。現地で「イギリス料理」に魅了され、方向転換することとなる。帰国したのち、フランス料理店、カフェ、アメリカ大使館で勤務。2012年、東中野にビスポークをオープンする。イギリスにインスパイアされた、オリジナリティ溢れる料理は口コミで広まり、イギリス大使館員はもとより、日本中から食いしんぼうたちが夜な夜な集う店となっている。