ここ数年でいちばんハマッた映画監督は“グザヴィエ・ドラン(26歳)”と断言できる編集部・大森です。
『マイ・マザー』、『胸騒ぎの恋人』で世界の映画シーンに鮮烈なデビューを飾り、『わたしはロランス』、『トム・アット・ザ・ファーム』とデビュー以来全作品がカンヌ国際映画祭、ベネチア国際映画祭へ出品され、早くも三大映画祭の常連に。

その彼は25歳のとき、4月25日公開の最新作『Mommy/マミー』で、なんと2014年カンヌ国際映画祭で、83歳の巨匠ジャン=リュック・ゴダールと並び審査員特別賞をW受賞(その時のスピーチ内容も本当に素晴らしいかった)!
「僕の創作意欲を否応なく掻き立てる、僕がもっとも愛するテーマをひとつあげるとしたら、それはおそらく僕の母についてだ」という過去のインタビューからも分かる通り、監督自身が描く、「母と息子の生活(=闘い!!)」は、リアルすぎるほどリアルで鬼気迫るものがあり、それゆえこちら側に問いかけてくる感情の波の数は半端ありません。

ゴールデンウィークに何か映画を……と考えている方は、ぜひ『Mommy/マミー』をチェックしてみてください。
そして、これから巨匠になっていくであろう若き天才『グザヴィエ・ドラン』の名前を頭の片隅に入れておいてください。“僕は、インディペンデント作家ではない”とコメントした彼の次回作は、ある映画スターと、それを追うゴシップコラムニストの物語『The Death and Life of John F. Donovan(原題)』。2016年アメリカ公開予定のこの作品で遂にハリウッド進出です。なんと、スーザン・サランドンとキャシー・ベイツというオスカー女優2人も出演するそう(いきなり、すごすぎる!)。今後、どんどんビッグな監督になっていくはずです(彼の感性のほとばしりがハリウッドの荒波にもまれ、失速しませんように)!
劇中で使用される音楽は、主人公のスティーヴが、少年時代、父親と一緒にカリフォルニアへ旅行したときに作ったコンピレーションという設定。オアシス、ベック、ラナ・デル・レイ……など、ツボに入りすぎて、私のためのコンピレーションではないかと(勝手に)驚いたほど。「曲は映画に合わせて流れるのではない。映画の中で流れているのだ」というコメントにも深く納得。個人的には、オアシスの『WONDERWALL』が流れるシーンは……と、あまり語りすぎるのは無粋なので、劇場でご確認ください。

東京にお住まいの方は、3月下旬にリニューアルオープンしたYEBISU GARDEN CINEMAでの鑑賞がおすすめ。シート、音響、フード(ロブションとや恵比寿三越内の飲食店とのコラボ弁当、スウィーツなどを販売。鑑賞中の飲食もOK♪)が、かなりアップグレードされておりました。公開作品のラインアップも含め、大人の劇場の誕生です。
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