こんにちは
百瀬今日子です
東京は本日冷たい雨です
先日、非常に楽しみにしていた美輪明宏主演・演出・美術・音楽・衣装「黒蜥蜴」(新国立劇場)へ行ってきました。

念願であった舞台「黒蜥蜴」。
ずっと観に行きたくてもなかなか機会に恵まれず、はじめて拝見しました。
前売りチケットも運よくすんなりとれ、ありがたいことでした。
美輪さんは、今回の「黒蜥蜴」を最後と考えていらっしゃようです。
一観客として、緊張感を持ちました。
心の世界では、あなたが泥棒で、私が探偵だった。
だって、あなたは私の心を盗んだのだから。
主人公の心情に ぐっときます
舞台セットから、衣装、小道具にいたるまで丁寧なつくり。
美輪さんのドレスがひるがえると 香水の匂いもうっすらと。
すばらしい演出です。
最後の最後まで拝見し、カーテンコールのとき、こみあげるものがありました。
それは、美輪さんはじめキャスト、スタッフの皆様の力量に震えただけでなく、脚本の三島由紀夫氏ご本人に重なるものもあったからです。
きっとこれは、三島さんご自身が言いたかったことであり、これは三島さんなのだろう、と。
そうしたことを感じさせて頂くことができ、カーテンコールで美輪さん、キャストのみなさんのお姿をみながら、ふつふつと感極まるおもいが沸き起こりました。
ここ数年、訳あって三島由紀夫氏についてのリサーチをしています。
ノーベル文学賞候補者にもなった世界的作家であり、仮面の告白、金閣寺、潮騒といった、数々の名作を残しながら、その後なぜか自衛隊市谷駐屯地にて割腹自決、という唐突な死を遂げる三島。
ミモレ世代のかたは、この三島の死を直接知らない世代だとおもいます。この三島の死を明確に答えられるかたも非常に少ないことでしょう。たとえ当時のことをご存知であったとしても、このことは迷宮入りすることしばしばです。
帰宅後、黒蜥蜴のプログラムを拝読しますと、美輪さんの興味深いご見解や逸話もあり、三島の信条、美学、死についても解する部分が私のなかに数多くあり、沁みました。三島の純粋さ。正義感。真の美への追求。主人公の黒蜥蜴にも重なっていきます。
三島由紀夫生誕90年。没後45年という今年。
偏見なく、そろそろ三島由紀夫氏に向き合う時期のように感じております。
それを「黒蜥蜴」が教えてくれました。
原作者の江戸川乱歩先生も今年、没後50年。
延長追加公演も決定されたようです。詳細は4月下旬発表とのこと。
もしご覧になっていらっしゃらないかたにはお薦めです
百瀬今日子でした

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