大草直子、ミモレ編集長として初となる3年ぶりの新刊が発売になりました! タイトルはずばり『毎朝3分で服を選べる人になる』。大草編集長が30代中盤~10年悩んでたどり着いた時短クローゼットのつくり方を余すことなく紹介しています。今回は、新刊発売を記念して、本書より“短期集中クローゼット改善レッスン”を全3回に渡ってお届けします。

第1回は「時短クローゼットはハンガーが決め手」です。

さっと服が選べた日は、朝からきっと気分が上がる。トレンチ、ボーダー、デニムという定番の組み合わせも、ベルトの結び方や袖のまくり方などひと工夫を加えるだけでぐっとおしゃれにみえる。トレンチコート/アクアスキュータム、ニット/ボーダーズ アット バルコニー、パンツ/レッドカード、サングラス/レイバン、ピアス/ボン マジック、時計/ジャガー・ルクルト、バッグ/シーズスタイルラボ、パンブス/マノロ ブラニク

クローゼットの無秩序は、
そのままあなたの第一印象になる


ファッションに携わる人はもちろん、毎日「服を選び続け」「着続けなくてはならない」すべての女性にとって、クローゼットをどうするかは、自分のスタイルをどうするか──ということと同じです。

乱暴に扉を開け閉めされる、ちらかったクローゼットは、そのままその人のおしゃれの印象につながります。整頓されていない軽んじられたクローゼットももちろん、間違いなく持ち主に、そのイメージを手渡すのです。

たくさん失敗し、たくさんお金もかけた私だからこそたどり着いた理想のクローゼットのつくり方を、具体的にご紹介しますね。
 

1.ハンガーは同じブランドで統一


クローゼットの大きさは、人それぞれです。どんな生活を送っているのか、毎月おしゃれにかけられるバジェットはいくらなのか──によっても、まったく違います。
収納場所のサイズを言い訳にすると、きりがありません。

そこでまずは、ハンガーを変えてみることから始めましょう。
クローゼットの中を見渡してみて、統一感のないハンガーを、思い切って処分しましょう。プラスチック製やワイヤーハンガーや、もしかしたら木製のものまであるかもしれません。ちょっともったいない気がするかもしれませんが、とくに思い入れのないものとは、思い切ってさよならするのです。

大切なクローゼットの基礎をつくるものは、良いハンガーです。
私は、ドイツの「マワ」というブランドのものを長年使っていますが、1センチ程度の薄さのため、服の広がりが抑えられ、これだけでかなりの省スペースになります。クリップのついたボトムス用もあれば、コートなど重めのアウターを掛けても安定するしっかりとしたボディのものもあり、色もサイズもデザインも、種類が豊富です。素材やアイテムによって使い分けたとしても、クローゼットの中には統一感が生まれ、同じ景色になります。
さらに、服が滑り落ちたり、ハンガー同士が引っかかったりすることもなくなるので、服を取り出してから着る、そして出かけるまでの時間がぐっと短縮されるのです。

ハンガーの形がくっきりと出たニットの肩の山や、無雑作に二つ折りにして吊るしていたパンツについたハンガーの線など、着る直前に気がついて「どうしよう」と悩んだりしていませんか。そうした時間が意外と多いことに、気がつくのではないでしょうか。
 

2.ハンガーの総数を決めておけば 服は増えない


クローゼットの中にスペースができても、そのぶん「服を増やす」のではいけません。服と服との間の心地よい空間は、絶対に確保しなくてはなりません。

次のステップとして、ハンガーの「総数」を決めておきましょう。

1枚買い足したら、同時に1枚処分すること。

そのくらいシビアにならないと、ハンガーを統一してすっきりしたぶん、知らず知らず「空間を埋めよう」として、逆に服がどんどん増え続けることになってしまいます。それでは意味がありません。

ちなみに2シーズン続けて着なかった服は、この先も着ない可能性が大です。「ダイエットに成功したら着よう」と思って長年取り置いているような服は、きっとこれから先も、出番は永遠にこないでしょう。

それよりは、自分の体形をきれいに見せてくれる、「今すぐ着られる1着」を探すべきです。
もしも、残しておくかどうか判断が難しい場合は、その服を着て、写真を撮ることをおすすめします。前からだけではなく、サイドや後ろ姿も忘れずに撮りましょう。

似合う/似合わない、サイズがフィットしている/していない……といったことは、写真を見ると一目瞭然です。そうして、合わないものから手放すことを考えるのです。
寄付をしたり、友達にあげたり、もしくは買い取ってもらったり──。賢い方法で手放せば、愛着のある服だって、ちゃんと有意義なセカンドライフを始められるのです。

 

〜新刊情報〜
『毎朝3分で服を選べる人になる』

大草直子 著 光文社刊 ¥1300

編集者、スタイリストとして22年のキャリアを積み、40年以上服を着てきた大草直子が、数年の「おしゃれ迷子」を経て、たどり着いたおしゃれの結論とセオリーがギュッと詰まった一冊です。
今回ご紹介したクローゼットづくりのセオリーのほか、ワードローブのつくり方、おしゃれへの考え方を論理的、具体的に指南。
服を選ぶのに時間がかかる、なにを着ていいかわからない……そんなおしゃれに迷いが生じる大人の女性たちに必読の1冊です!

<目次>
Part1 クローゼットがノールールだと、「おしゃれ」も無秩序に
Part2 「3分で終わる」良いワードローブのつくり方
Part3 サイズに一喜一憂せず、「服を着る私」を整える
Part4 「おしゃれをする」ということ、「服を着る」ということ


次回は、いよいよ大草編集長のクローゼットを大公開! ”時短クローゼット”の秘密にせまります。

第2回 クローゼットまわりをミニ試着室に【大草直子のクローゼット改善レッスン②】>>
第3回 ストレスを減らす小物の居場所のつくり方【大草直子のクローゼット改善レッスン③】>>


撮影/最上裕美子