常備調味料があればすぐできる!
朝、時間に追われていたり、献立に悩む毎日のお弁当。学生時代に自分のお弁当を作り始め、今は家族のために作り、お弁当歴は25年以上となる、料理家のサルボ恭子さんのお弁当作りのルールのひとつに「常備調味料を活用する」という項目があります。常備調味料をいくつか作りおきしておくと、味がいつも一定になるばかりでなく、いろいろな調味料を出す手間がないのでおかず作りがとっても簡単になるのだそう。
「和風、洋風、エスニック風の調味料をいくつか常備しておくと、献立のバリエーションが広がります」とサルボ恭子さん。
そこで、サルボ恭子さんの著書『おかずは3品でOK! サルボさん家の毎日弁当』より、常備調味料3種と、口直し用アレンジ酢のレシピと、常備調味料を使ったお弁当のレシピをご紹介します。日持ちがするのでぜひ、作って活用しましょう。
1.八方だしのつくり方
材料(作りやすい分量)
・しょうゆ……300ml
・みりん……180ml(しょうゆの6割)
・削り節……40g
・昆布(15cm長さ)……1枚(5g)
・干ししいたけ……4枚
・水……1L
作り方
1.鍋に削り節以外の材料をすべて入れ、冷蔵庫で一晩つける。
2.1を中火にかけ、沸騰直前に削り節を入れ、沸騰したら弱火にして3 分煮て火を止める。
3.ざるにペーパータオルを敷いて2をこし、冷まして保存容器に入れる。
*冷蔵庫で1 週間保存可能。
*こしたあとの削り節、昆布、干ししいたけは、おにぎりや味つけご飯の具、つくだ煮などに使用可。冷凍保存する場合は1ヵ月保存可能。
2.香草パン粉のつくり方
材料(1人分)
・パン粉……100g
・にんにくのみじん切り……30g
・パセリのみじん切り……20g
・塩……大さじ1
作り方
1.材料をすべて混ぜ合わせ、冷凍用保存袋に入れる。
*冷凍庫で1ヵ月半保存可能。
3.香りバルサミコ酢のつくり方
コクがあり、漬け酢と同様に使えますが、食材の色が濃いものやアクの強いものにも合います。
材料(作りやすい分量・でき上がり約180ml)
・バルサミコ酢……180ml
・ローリエ……2枚
作り方
1.鍋にバルサミコ酢と半分にちぎったローリエを入れて中火にかける。湯気が出てきたら火を止め、そのまま冷ます。
*保存容器に入れて冷蔵庫で2週間保存可能。
女性向きだけどボリュームあり「ミニおにぎり弁当」
小さいおにぎりは女性向き。実はボリュームもあります。 赤色の鮮やかな口直しを中央に入れると、色のアクセントに。
きのこおにぎり
材料(1人分)
・ご飯……茶碗1と1/2杯分
・しめじのみじん切り……1/6パック分
・干ししいたけのみじん切り……1枚分
・八方だし……大さじ1
・焼きのり(八つ切り)……2 枚
作り方
1.ボウルにきのこ類と八方だしを入れてラップをし、電子レンジで1分30秒加熱してしめじに火を通す。
〈POINT〉電子レンジできのこに味を含ませると簡単。
2.別のボウルにご飯と1を入れて混ぜ合わせる。4等分にしてそれぞれ丸くにぎり、縦半分に切ったのりで巻く。
えびの香草パン粉焼き
材料(1人分)
・えび(殻つき)……大3 尾
・香草パン粉……大さじ1と1/2
・オリーブ油……大さじ1
作り方
1.えびは殻と背わたを取り、長さを半分に切る。
2.天パンにオーブンシートを敷いて1を並べ、香草パン粉をふってオリーブ油を回しかける。オーブントースターでえびに火が通るまで6分ほど焼く。
紫キャベツのバルサミコ酢漬け
材料(作りやすい分量)
・紫キャベツ……1/6個(約230g)
・香りバルサミコ酢……カップ1/3
作り方
1.紫キャベツは半分に切ってから5mm幅の細切りにする。
2.ポリ袋に1とバルサミコ酢を入れ、よくもんで空気を抜き、口を閉じて冷蔵庫で一晩つける。
「私のお弁当歴はかれこれ25年になります。
長く続いたお弁当作りですが、今では長男は高校を卒業して留学中、長女も大学生になり、子どもたちのお弁当作りの使命は終了です。
お弁当は親から子へのメッセージの伝達役にもなるもの。
ぜひ、親の愛情をお弁当に詰めてあげてください。
きっと子どもが親になったとき、気づくはずですから。」(サルボ恭子)
『おかずは3品でOK! サルボさん家の毎日弁当』
サルボ 恭子:著 定価1400円(税別) 講談社
”楽しんでお弁当作りをしないとおいしいものはできない!”と考えた著者は手早くできて、負担の少ない”がんばりすぎない”お弁当を考えました。そして試行錯誤ののち、たどりついたのがこのルール。
1主菜の定番食材を決めて野菜多めの副菜バリエーションを考えること
定番食材を決めておくと、買い物がラク!
2常備調味料を作りおきして、味をいつも一定にすること
調味料を合わせておくと、漬けたり、煮たりで簡単に1品できます。ときにはマヨネーズやソースなどの市販調味料を使う料理も。
そしておかずは3つまで。あれもこれもと作らなくてもいい。
ご飯弁当ならご飯に「主菜」+「副菜」+「口直し」。味つけご飯(またはおにぎり)に「主菜」または「副菜」+「口直し」。パン弁当ならサンドイッチに「デザート」。パンに「スープ」。このルールで作り続けたサルボ家のレシピ大公開!お弁当だけではなく、夕ご飯のおかずにも、おつまみにも、デザートにもなる142レシピです。
撮影/竹内章雄
サルボ恭子
料理家。老舗旅館の長女として生まれ、料理家の叔母に師事したのち渡仏。パリ有数のホテル「オテル・ド・クリヨン」で研修、勤務するうち、フランスの郷土料理に魅了され、帰国後料理研究家のアシスタントを経て独立。自宅で料理教室を主宰。素材と向き合い、その持ち味を引き出す料理を得意とし、出張料理やケータリングで料理が最もおいしく味わえる“瞬間”を届けている。雑誌やテレビなどでも活躍し、洗練された家庭料理には根強いファンも多い。『毎日活躍! 「ストウブ」で和洋中』(講談社)、『サルボ惣菜店』(大泉書店)、『オーブンまかせでのっけて焼けばすぐごはん』(学研プラス)など著書多数。http://www.kyokosalbot.com/