ビッグフェイスのマニッシュな時計がトレンドとして浮上したのは、もう5、6年くらい前だったでしょうか。インパクトのある存在感でコーディネートにメリハリを生み、同時に、時をつかさどるアイテムならではの知性が際立つビッグフェイスウォッチは、とりわけ働く女性の手元をアップデートしてくれるアイテムとして人気を集めました。

そして今、ファッショントレンド自体は、以前よりフェミニンでクラシカルなムードへ移行しつつありますが、マニッシュな時計は単なる流行を超え、ひとつのスタイルとして定着してきているよう。コーディネートの仕方も、ベーシックなカジュアルに合わせてハンサムなカッコよさを強調するだけでなく、反対に、エレガントな装いのグラマラスなアクセントとして取り入れてみるなど、身に着ける人の個性が生かされたものになってきているようです。
 

エディター 昼田祥子さん
オメガ「スピードマスター」

今、マニッシュな時計は、トレンドを超えてひとつのスタイルに。_img0
「メンズアイテムなど辛口のおしゃれが大好き」という昼田さん。「スピードマスター」は、旦那さまがお父さまから譲られたものの好みに合わず、自分の方によりフィットしていたので譲り受けたのだとか。タフでカッコいいこの時計は、しばしば自分を励まし、鼓舞してくれる存在にも。身に着けることで、心地よい緊張感をもたらしてくれるそうです。
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PROFILE 昼田祥子さん

出版社勤務を経てフリーランスへ。ミモレでは主にスタイリスト連載を担当しています。
甘いものも甘い服も苦手で、最近はメンズ売り場が一番落ち着きます(笑)。

 


AKIKO OGAWA.デザイナー 小川彰子さん
ブライトリング

今、マニッシュな時計は、トレンドを超えてひとつのスタイルに。_img1
旦那さまが愛用していたファーストウォッチを、約5年前に譲り受けたというブライトリング。日頃から、デザイナーとして“相反するものを結びつけた時に生まれる美しさ”にフォーカスしているという小川さんは、重厚感のあるメンズウォッチを、タイトスカートやハイヒールなどの女性らしいアイテムにミックス。大人ならではのグラマラスな迫力を、お手本にしてみたい。
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PROFILE 小川 彰子さん

AKIKO OGAWA.」「AKIKO OGAWA. Lingerie」デザイナー。マスキュリンなテーラリングと女性らしさを融合させたスタイルが働く女性の支持を集める。また、エレガントなドレスラインは国内外のセレブリティからも大好評。2016年にはランジェリーラインもスタートし、今年はパリのランジェリー総合展示会に出展するなどグローバルに活躍中。プライベートでは、イギリス人の旦那様と3歳の息子さんの3人家族。

 

ファッションエディター 小泉恵里さん
ロレックス「オイスター パーペチュアル」

今、マニッシュな時計は、トレンドを超えてひとつのスタイルに。_img2
結婚祝いにご両親から贈られたロレックスは、旦那さまとお揃い。ボーイズサイズですが、メンズと同型のサイズ違いというマニッシュなデザイン。メンズファッションのエディターも手掛ける小泉さんは、メンズっぽいアイテムやオーセンティックなスタイルが大好きで、時計選びの際も、迷わず“その道ひと筋!”の時計ブランドから選んだそうです。
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PROFILE 小泉 恵里さん

フリーランスのエディター。雑誌、ウェブなどで編集&ライターとして活躍、企業やブランドのコンサルティングも行う。最近、食べログマガジンで連載コラムがスタートし、話題の店を食べ歩く日々。

 

実は、女性が着けると手首の細さが強調され、よりフェミニンな雰囲気を漂わせることもできる、マニッシュな時計。メンズウォッチを愛用している人のなかでは、「パートナーの時計を借りているうちに、自分の方が気に入ってしまい、譲り受けた」という声も多いようですが、これからは、新しい時計を選ぶ際に、メンズウォッチという選択肢も覚えておきたいですね。

構成・文/村上治子