米倉涼子さんが、過去に観た映画を紹介するアーカイブ コレクション。
そのときに観た映画から、米倉さんの生き方、価値観が垣間見えます。
ぜひみなさんに観てほしいラブストーリーがあります。『リトル・ミス・サンシャイン』の監督が手がけた新作『ルビー・スパークス』です。
作家の青年が小説に書いた理想の女の子が、目の前にそのまま恋人として現れるという不思議なお話。ありえない物語のはずなのに、どんどん引き込まれるのは主人公をはじめ俳優たちの存在感が自然だから。
ヒロインを演じたゾーイ・カザンも難しい役のはずなのに普通っぽくてすごくかわいかった!彼女自身が脚本も書いていると知って、天才じゃないの⁉ と本当にびっくりしました。
異次元に連れて行ってくれるお話でありながら恋愛に関する痛みはリアルだし、男の子、女の子、どちらの視点でも楽しめる。とにかくギアがいろんなところに入れられる作品だと思います。
主人公の家の中でのシーンが多いけれど退屈しないのは、リビングやキッチン、階段を使っての上下の移動など、空間の使い方が上手だからでしょうね。
ヴィヴィッドすぎない映像のタッチも素敵だったし、好きになるのと好かれるのはどちらがいいんだろうなんて恋愛の形についての考察もできる、大人の女性もトキメくラブストーリーだと思いますよ!
このページは、女性誌「FRaU」(2013年)に掲載された
「エンタメPR会社 オフィス・ヨネクラ」を加筆、修正したものです。
『ルビー・スパークス』
若くして作家デビューを果たしたものの、その後はスランプ続きのカルヴィン。すっかり自信を失って、セラピーに通う日々を送っていた。ところが素敵な女の子が出てくる夢を見た翌日、彼女を主人公にした小説を執筆しはじめると、彼が書いた理想の恋人そのもののルビーという女の子が目の前に現れて……。