2010年12月。活動休止前のライブの最後の曲に、宇多田ヒカルさんは最初のシングル(Automatic)のカップリング曲『time will tell』を選びました。リリース当時(1998年)、「15歳の少女がこんな達観した歌詞を書けるなんてスゴい!」とかなりの衝撃を受けたのを覚えています。「時間がたてばわかる」と繰り返すこの曲を、いつか決定的なタイミングで自らが歌う。そのことを宇多田さんは当時から予見していたのではないか。そんなことを思いながら、私は「時間」の真理をとらえたこの曲を、ことあるごとに口ずさんできました。

今回は、「自分のおしゃれは時間がたてば分かる?」のお話。

フェミニンなトップスにユニセックスなボトムを合わせるギャップがあるコーディネイトは昔から好きな組み合わせです。デニムやカーゴパンツと合わせることが好きなトップスですが、この日は麻×コットン混のタイパンツを合わせました。
 

『time will tell』の衝撃を受けた(社会人なりたての)頃から、自分のおしゃれを振り返ってみるならば、自分のアンテナにひっかかったアイテム、テイストには、いろいろとチャレンジしてきた年月だったな、と。でも、買い物の基本姿勢は変わらなかったようにも思います。「いつまでも自分が愛しぬけるものを!」がいつだって私のテーマです。

こちらのブラウス、前身頃は透けていませんが、後ろ身頃はオールシースルー。パーティだったのなら、ヌーブラでセクシーに着ても。な〜んて。
そうなんです、小さなハート柄なんです。水玉だと思って、よくよく見たらハート柄。うん、可愛いゾ♡ 数年前に購入したZARAのものです。


このコーナーを始めてから気づけば2年の月日が流れていました。自分のコーディネイトの写真に対し、文章を添えてみることで、気づいたことはたくさんあります。そして思うのです。自分に似合うもの、好きなもの、そしてそのバランスがやっとクリアになってきたこれからが、私のおしゃれの本番なのだと。

「時間がたてばきっと自然に分かる」ことに焦ることなく、思い込みをもつこともなく、自分に素直に――おしゃれをこのまま気ままに楽しんでいきたいと思っています。

今までご愛読ありがとうございました。こちらの『今日のコーデ』での登場は私はこれで最終回です。次回お会いする時は、編集長・大森として。ファッションはもちろん、美容のこと、カルチャーのこと、生き方のこと……日々の私の“気づき”をたくさん共有していければと。引き続き、皆様と楽しく豊かな時間を重ねていければ幸いです。


CREDIT:
トップス/ZARA
バッグ/ノベルティ
パンツ/海外で購入 この日と同じ
靴/海外で購入

大森葉子

主にビューティ担当。「今日は夏休み?」と聞かれてしまうほどの“ど”カジュアルと「今日は何かあるの?」と聞かれてしまうほどのデザイン性のある服が好き。ほぼ“一目惚れ”買い派。

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