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味と鮮度を保って、時間とお金も節約できる島本流保存術


料理研究家・島本美由紀さんの著書『ひと目でわかる 食品保存事典 簡単! 長持ち! 節約!』からすぐに実践できるアイデアをご紹介するシリーズ最後となる3回目です。今回は、豆腐やこんにゃくなどの加工食品のほか、ハーブや果物など身近な食材の“目からウロコ”の保存術を集めました。
食材をおいしく長持ちさせるだけでなく、調理の時短や食費の節約にも役立つアイデアがいっぱい。誰でもすぐできる、簡単でいて即効果のあるアイデアをぜひご活用ください!
 

 


【加工食品】適切な保存で品質を保って消費・賞味期限内に使い切る!


加工食品は、肉や水産物、乳製品など原料がさまざまで、食材から調味料、菓子類など種類もたくさんあります。加工食品の保存は、製品に表示された方法に従い、消費・賞味期限に使い切るのが原則。ただし、期限表示は未開封の場合の目安なので、長期保存ができるレトルト食品や冷凍食品も一度開封したらできるだけ早く使い切るようにします。
使いかけの加工食品をムダにしないためには、適切に保存することが大事。基本は、肉、魚などの生鮮食品と同じように、ラップと保存袋での二重密閉です。

(料理研究家・島本美由紀さんの新・食品保存術②肉・魚編はこちら


豆腐の常温保存は厳禁。チルド室で保存して

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豆腐は、室内に置いたままにすると夏場だと半日で傷んでしまうことも。買い物から戻ったら、すぐに冷蔵庫のチルド室で保存しましょう。使いかけのものは、塩水につけてチルド室に入れておけば、3〜4日保存ができます。
豆腐のように水分が多い食品は、冷凍すると食感や風味が変わります。凍結した豆腐は、水分が抜けて解凍すると少し歯ごたえがあるお肉のような食感に。これを生かしてお肉代わりに使ったり、高野豆腐と同じように使ったりすれば、ムダなく活用できます。

 冷蔵 
保存容器に水を張り、塩をひとつまみ入れる。豆腐を入れ、フタをしてチルド室で保存。毎日水を替える。保存期間の目安は3〜4日。

 冷凍
使いやすい大きさに切って、金属トレーに並べて冷凍。完全に凍ったら冷凍用保存袋にまとめて。未開封ならパックのままで。保存期間の目安は2〜3週間。自然解凍、凍ったまま調理できる。
 

おから、こんにゃく、餃子の皮……使いかけは新・保存術でムダなしに!

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おから
1袋の分量が多くて残ってしまいがち。日持ちしないので、使いかけはすぐに冷凍保存を。

 冷蔵 
ラップでぴったり包んで保存袋に入れる。量が多ければ1回分ずつ小分けにしても。チルド室で保存。保存期間の目安は2〜3日。

 冷凍
からいりして、冷ましてからラップで包む。量が多い場合は、少量ずつラップで小分けに。冷凍用保存袋に入れ、冷凍庫のトレーに平らに置く。完全に凍結したら袋ごと立てて保存しても。保存の目安は約1ヵ月。自然解凍して使う。

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こんにゃく・しらたき
 冷蔵 
パックに入っていた水、もしくは普通の水を注いだ容器に入れて保存。水量はこんにゃくがしっかりとつかるくらいに。2〜3日おきに水を取り替える。冷蔵室で5日ほど保存ができる。

 冷凍
使いやすい大きさや量に分けて冷凍。保存期間の目安は約1ヵ月。自然解凍、凍ったまま調理する。急ぐときは、流水で解凍を。

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餃子の皮・春巻きの皮
 冷蔵 
残った分は、ラップでぴったりと包んで保存袋に入れ、チルド室へ。保存期間の目安は3〜4日。

 冷凍
使いやすい分量ごとにラップで包み、冷凍用保存袋に入れる。保存の目安は約1ヵ月。自然解凍して使う。


あると便利! しょうが、レモン、ハーブを新鮮&おいしく保存


薬味や風味づけなどに使う食材は少しずつ使うことが多いので、余った分をとっておいてもムダにしがちです。でも、しょうが1かけら、レモン1切れだってあれば便利! 使いかけも、新鮮なうちに風味を保って保存しましょう。

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しょうが
水にひたして保存すれば鮮度が長持ち。むき出しのままと比べると、みずみずしさが断然違います。
 
 冷蔵 
保存容器に入れ、かぶるくらいの水を注いで冷蔵室で保存。丸ごと、使い残し、薄切りにしたもの、いずれもこの方法でOK。水を3〜4日おきに取り替えれば1ヵ月は新鮮なままで保存できる。

 冷凍
すりおろし、みじん切り、せん切りなど、使いやすい大きさに切って少量ずつラップで包んで冷凍用保存袋に入れる。
すりおろしたものは、ラップで棒状に包んで冷凍しておけば、パキッと折って使える。保存の目安は約1ヵ月。凍ったまま使う。

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レモン
くし形切りや輪切りにしたものは、日持ちしないのですぐ使うこと。残ってしまったら冷凍を。
 
 冷蔵 
丸ごとのものは、ラップで1個ずつ包む。半分くらいにカットしたものは、水を数滴入れたグラスに、切り口を下にして水に触れないように入れ、ラップで覆う。いずれも野菜室で10日ほど保存できる。

 冷凍
くし形切り、輪切りなど使いやすい形に切る。果汁にした場合は、少量ずつアルミカップに入れる。金属トレーに並べて一度完全に凍結させてから冷凍用保存袋や保存容器にまとめる。保存期間の目安は約1ヵ月。自然解凍、凍ったまますりおろしても。


便利でおしゃれに、ハーブ・なめこ・牛乳・果物の保存アイデア


葉も茎も色鮮かやに、香りよく鮮度を保って保存したいハーブ。種類や量に合わせて上手に保存すれば、冷蔵庫の野菜室なら2週間は生き生きとした状態で保存ができます。葉を摘んで冷凍すれば約1ヵ月は保存可能。パスタやスープに散らしたり、飲み物に加えたりと使い道がいろいろあって重宝しますよ!

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ハーブ
 冷蔵 
茎がしっかりしたもの
水に1〜2分さらして水けを拭き、湿らせたペーパータオルを敷いた保存容器に入れてフタをする。
葉だけ、茎の細いもの
洗って水けを拭き取る。湿らせたペーパータオルを敷いた保存容器に入れる。上からも湿らせたペーパータオルを軽くのせてフタをする。
いずれも保存の目安は、野菜室で約2週間。途中ペーパータオルが乾いたら湿らせたものと交換を。

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袋入りなめこの冷凍アイデア
袋ごと半分に折った状態で冷凍すると、折って使えるので便利。保存の目安は約1ヵ月。凍ったまま調理する。
開封したものは冷凍に不向き。使いかけはゆでて、冷水にさらしてから水けをきり、フタつきの容器に入れてチルド室で保存。3日以内に使い切る。

牛乳の冷凍アイデア
一年を通して要冷蔵。できればドアポケットでなく冷蔵室に入れて、開封後は表示の期限にかかわらず早く使い切って。使い切れない分は冷凍。飲用には向かないけれど、シチューやホワイトソース、飲み物に使える。

 冷凍
製氷器に流し入れて凍らせる。小さいパックならそのままでも。保存期間の目安は約1ヵ月。凍ったまま使う。
 

冷蔵庫の中もすっきり! 果物を食べやすく、おいしく保存するアイデア


スイカやメロンなど丸ごと入れると場所を取るものは、一口大にカットして容器に入れて冷蔵庫へ。食べきれない分、余った分は、すぐに冷凍しましょう。また、ちょっぴり残ったいちごやベリー類、キウイなども、冷凍用の保存袋や容器にまとめて冷凍しておけばムダになりません。そのままでシャーベット風に、凍ったまま少し水や牛乳と砂糖を加えてミキサーにかければスムージーとして楽しめます。

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スイカ
 冷蔵 
皮を取って一口大に切り、保存容器に入れて野菜室へ。保存の目安は4〜5日。

 冷凍
冷蔵と同じ要領で一口大に切って、ラップを敷いた金属トレーに並べて凍らせる。凍結したら冷凍用保存袋にまとめる。保存期間の目安は約1ヵ月。

フルーツミックス
一緒に凍らせるものとなるべく大きさをそろえるのがポイント。ブルーベリーといちごの場合なら、いちごを縦半分に切って、冷凍用保存袋にまとめて冷凍室に入れる。保存の目安は約1ヵ月。そのまま食べる、ドリンクに浮かべる、スムージー、ジャムやソースなどに凍ったまま調理できる。


島本 美由紀(シマモト ミユキ)
料理研究家。ラク家事ナビゲーター。 主婦や同世代の女性に向けた手軽でおいしいレシピを提案し、雑誌やテレビなど各種メディアで活躍中。料理研究だけでなく、家事全般のラク(楽しく、簡単)を追求するラク家事ナビゲーターとしても活動している。著書に『15分で1週間ラクラク ストックおかず』(グラフ社)、『1つのひき肉だねから広がる54のレシピストックだねで便利なおかず』(家の光協会)、『キムチごはん』(主婦の友社)、『時間とお金が10倍になる! 冷蔵庫お片づけ』『時間とお金がもっと増える! キッチンお片づけ』(講談社)などがある。

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『ひと目でわかる! 食品保存事典 簡単! 長持ち! 節約!』
島本 美由紀 著 1320円(税込) 講談社

生鮮食品から乾物、加工食品まで、全200アイテムの保存法を、オールカラーでわかりやすく。
すべて写真で、保存のしかたがひと目でわかります。
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家事のアイデアでメディアに引っ張りだこの著者が、すべて実験して導き出した、本当に使える食品保存マニュアル。
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『ひと目でわかる! 食品保存事典』のほか、料理、ファッション、ダイエット・美容など講談社くらしの本からの記事はこちらからも読むことができます。
講談社くらしの本はこちら>>


構成/稲田智子

 


・第1回「意外と知らない夏場の食品保存のコツ①野菜編」はこちら>>
・第2回「おいしさ長持ち夏場の食品保存のコツ②肉・魚編」はこちら>>