いつ何時も。もちろん、それが戦争中であっても。人々はそれぞれの場所で、それぞれの生活を営んでいる。つい見過ごしがちで当たり前の事実を私に教えてくれた『この世界の片隅に』。原作も何回も読み返し、映画は3回劇場に足を運んで鑑賞。それくらい個人的に思い入れのある作品が、この夏、ついに連続ドラマ化

【STORY】舞台は戦中の広島県の軍都・呉。主人公のすずは昭和19年2月に広島市から呉に嫁ぎ、新しい家族や街に戸惑いながらも健気に毎日を過ごす。どんどん戦争の色が濃くなる呉の街は昭和20年3月に空襲にさらされていく……。『この世界の片隅に』(双葉社)


先週の放映をご覧になられた方も多いかと思います。私、原作も映画も大好きなので、とても楽しみに待っていました。とはいえ、原作が好きすぎると実写化にガッカリすることも大きいので、不安を抱えながら……

でも、心配無用でした。スタッフは、脚本・岡田恵和(『ちゅらさん』『ひよっこ』)、音楽・久石譲(宮崎駿作品、北野武作品)、演出・土井裕泰(『重版出来』『カルテット』『逃げ恥』)&吉田健という鉄壁の布陣。さらに、キャスティングはNHK朝ドラ・オールスターと言わんばかりの国民的俳優たちが一堂に会しています。そんな中、主人公のすず役の松本穂香は(私の中では)あまり色がついていない役者だったため感情移入しやすく、フレッシュな印象が主人公すず役にピッタリ! さらに、ドラマ化では原作、映画とは違い、現代のシーンが新たに盛り込まれているのもポイント。今後、過去と現在をつなぐ重要な役割を果たすことになっていくのでしょう。

胸キュンシーン(をたくさん盛り込んでくる気配が漂っているのでそれ)にキュンキュンしながら、すずのほっこりとした愛くるしさに癒されながら、そして、日々健気に生きるすずやまわりの人々のひたむきさに胸を打たれながら……私たち視聴者は昭和20年のあの夏を待つことになります。

日曜日21時放映です。ぜひ、皆様の感想もお聞かせくださいませ。

(すべて敬称略)

今日のお品書き
毎日たくさんの質問をいただいておりますASK&ANSWER。とりわけ金子稚子さんのご回答は老後を考えるとナーバスになってしまう方は必読です。不安を払拭するための具体策がたくさん提示されていますよ。