先日の記事で、ニューヨークで楽しんだエンタメをご紹介しましたが、今回は機内で観て面白かった作品を!
ウェス・アンダーソン監督の新作『犬ヶ島』です。以前観た映画『グランド・ブダペスト・ホテル』のカラフルな世界が好きだったから、これもチェックしてみようかな〜と軽い気持ちで観てみたのですが、これがびっくり!
かなりの不思議ワールドが広がっていて、なぜ監督はこの映画を作ろうと思ったんだろう!? と日本人として興味がわいちゃう作品でした。
舞台になっているのは、日本の近未来を思わせるメガ崎市。ドッグ病という病気が広がり、人間への感染を心配した市長がすべての犬たちを犬ヶ島に隔離したことから物語がはじまります。
小型飛行機に乗ってここにやってきたのは、市長の養子のアタリ少年。
ボディガードであり親友でもある愛犬、スポッツを救うために島に上陸した彼は、ここで出会った犬たちと一緒に捜索をはじめます。
アタリ少年の顔立ちや、だんだんと人間のように見えてくる犬たちの表情には何だか不思議な魅力があります。
浮世絵や相撲、和太鼓など日本っぽいものがたくさん出てくるのですが、私たちが知っている日本とは微妙に違うのがおもしろい!
ウェス・アンダーソン監督は黒澤明監督など日本の映画を敬愛しているそうで、きっとたくさんの影響を受けてきたのでしょうね。『犬ケ島』はアメリカ映画ではありますが、“外国人が作った日本映画”という印象を受けました。
監督が人望のある人だからか、スカーレット・ヨハンソンから渡辺謙さんまで声優陣もすごく豪華!
みなさん声のお芝居が上手すぎて、誰が誰の声なのかよくわかりませんでした。
普通の会話以外にもアナウンサーの解説が挟み込まれたり、急に日本語から英語になったり、字幕が入ってきたり…。
そのへんの発想もとても自由で、監督の脳内は一体どうなっているのかさらに不思議になりました(笑)。
この世界に浸って感情移入して観るというよりも、ヘンテコさを味わいながら“違和感”を楽しむ映画かもしれません。島へと隔離された犬たちの存在は何を象徴しているんだろう…ということも含めて、監督にインタビューしたくなる映画です。
ちょうどDVDがリリースされたばかりのようなので、ご興味のある方はぜひチェックしてみてくださいね!
『犬ヶ島』
舞台は近未来の日本。メガ崎市ではドッグ病が大流行し、市長はすべての犬を“犬ヶ島”に追放することに決める。あるとき、小型飛行機でこの島にやってきたのは市長の養子で孤児のアタリ。愛犬で親友のスポッツを救うために来たのだ。島で出会った5匹の犬たちを相棒にスポッツを探し始めたアタリは、やがて大人の陰謀に巻きこまれていく。
犬ヶ島 2枚組ブルーレイ&DVD
8月22日発売 ¥3990+税
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