米倉涼子さんが、過去に観た映画を紹介するアーカイブ コレクション。
そのときに観た映画から、米倉さんの生き方、価値観が垣間見えます。
ミャンマーの民主化運動にすべてを捧げた女性、アウンサンスーチーの苦悩を描いた伝記ドラマです。もちろん名前は知っているものの、彼女の生き方について詳しいことは知らないままで鑑賞したのですが、本当に観てよかった!
この映画のお陰で彼女が民衆に愛される理由や、軟禁生活の大変さについて理解することができました。
国のために戦った父の血をひいているとはいえ、政治の面では素人だった彼女が、なぜあそこまで頑張ることができたのか。その陰には、イギリスとミャンマーで離れ離れになっても献身的に彼女を支えた、夫の存在があったんですね。
ガンを患いながらイギリスで息子たちとともに暮らす、夫に会いたい。でも一度出国してしまうと、再び祖国に戻ることはできなくなってしまう。
理想があるからこそ、心から愛する人と一緒に暮らすことができない彼女や夫の心情を想像しながら、もしも私ならイギリスに戻ったかもしれない、と思ってしまいました。
でもきっと彼女は、人々に必要とされるパワーや光を生まれたときから持っている人なんでしょうね。信念を貫く生き方を観ながら、ひとりの人間の存在価値について考え、ホロリと涙した作品でした。
このページは、女性誌「FRaU」(2013年)に掲載された
「エンタメPR会社 オフィス・ヨネクラ」を加筆、修正したものです。
『The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛』
ノーベル平和賞を受賞したアウンサンスーチーのビルマ(現ミャンマー)民主化への闘いを描く。リュック・ベッソン監督のもと、ビルマ語を習得し主人公を演じるのは、『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』などハリウッドでも活躍するミシ ェル・ヨー。