米倉涼子さんが、過去に観た映画を紹介するアーカイブ コレクション。
そのときに観た映画から、米倉さんの生き方、価値観が垣間見えます。

NBC / Photofest / ゼータイメージ

ブロードウェイの舞台裏を描いたストーリーは『シカゴ』の舞台に立った私のまさにドストライク! そうそう、こういうことあるよねぇって、激しくうなずきながら楽しんじゃいました。主人公はウェイトレスをしながらスターを目指すカレンと、実力はあるけれどこれまで脇役に甘んじてきた女優のアイヴィー。

マリリン・モンロ ーをテーマにした新しいミュージカルが製作されることになって、ふたりがバチバチと火花を散らす! というお話。ここにユマ・サーマン演じる人気ハリウッド女優も加わり、マリリン役の争奪戦は激しさを増していきます。

スターの卵、中堅、ハリウッド女優がライバルになる展開はとてもドラマチックで、素晴らしい歌声を持つ新人女優が疎まれる雰囲気はものすごくリアル! ジョー・ディマジオ役の俳優と作詞家がかつて不倫関係だったり、音楽家のアシスタントがスキャンダルをつかんで脅したり……。

周囲の人たちの様々な駆け引きにもドキドキさせられました。そういえば、私がニューヨークでピラティスを習っていた先生の双子のお姉さんや、ミュージカル『シカゴ』のときに弁護士役で共演したトニー・ヤズベックがゲスト出演していたからびっくり! どちらも出演していることを知らずに観たので、うれしいサプライズでした。

ひとつのミュージカルが生まれる過程を題材に、エンタメ業界の裏側を映し出していて、プロデューサー、音楽家、演出家目線で観られるのも、このドラマの面白いところ。
私にとっては身近な世界ゆえに楽しめた部分もあるドラマですが、心躍る歌とダンス、そして夢がたくさん詰まっているので、みなさんにもおすすめの作品です! ダンサーのなかにイケメンもいるので、楽しんでくださいね(笑)。

『SMASH』
ニューヨーク・ブロードウェイ。ウェイトレスをしつつスターを目指すカレンは、マリリン・モンロ ーを主役にしたミュージカルのオ ーディションに挑戦する。スピルバーグが製作総指揮を務めるドラマ。

取材・文/細谷美香
このページは、女性誌「FRaU」(2013年)に掲載された
「エンタメPR会社 オフィス・ヨネクラ」を加筆、修正したものです。