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微熱、長引く咳、疲れ……よくあるからだの不調、症状別対処法Q&A

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微熱、長引く咳、疲れ……よくあるからだの不調、症状別対処法Q&A_img0
 

よくある風邪や微熱、咳にはどう対処すべき? 薬に関する疑問、問診の際の医師とのつき合い方など、病院や症状でわからないことって意外と多いものです。そんなあれこれを総合内科医の岡崎史子さんに伺いました。

Q1.微熱が続いています

A.働く人に多い微熱の原因は自律神経失調症のケースが増えています


微熱とは、一般に37~38度の発熱のこと。一日の体温変動が平温の±1度ぐらいなら、生理的な熱と考えられるので心配ないでしょう。女性には、月経周期や更年期障害による体温の変化もあります。働く人では、ストレスによる自律神経失調症が微熱の原因ということも。熱が出る疾患には、風邪、感染症、自己炎症性疾患、甲状腺機能亢進症、がん、アレルギーなどがあります。熱に加えて吐き気や痛みなど、ほかの症状がある場合は、医療機関の受診を。

〈風邪の常識〉抗生物質は効きません、安静が一番です
風邪を抗生物質で治すというのは、間違った考え。風邪の原因はほとんどがウイルスなので、菌を殺す薬である抗生物質は効きません。また、いわゆる風邪薬は症状を抑えるもの。風邪は自分の免疫力で治すしかなく、安静が一番です。

 


Q2.風邪の後、いつまでも咳が長引いています

A.3週間以上続く咳は、別の病気の可能性もあるので、医療機関へ


咳には意外な病気が隠れていることがあります。例えば、長引く咳の大半を占めるのは『咳喘息』。ゼーゼーという呼吸音がある場合は『喘息』が疑われます。長引く咳と痰が症状の『非結核性抗酸菌症』、カビが原因の『夏型過敏性肺炎』も夏風邪と間違われやすい疾患。ほかに、『逆流性食道炎』や『咽頭炎』でも咳が出ます。どの疾患も早めの診断が肝心です。風邪の咳なら1週間程度で治るのが一般的。3週間以上咳が長引く場合は、医療機関の受診をお勧めします。

〈咳に伴う症状別・考えられる病名と診療科〉
●熱がある
マイコプラズマ肺炎、感染症 → 内科、呼吸器科

●喉の違和感
急性咽頭炎、喉頭炎 → 耳鼻咽喉科

●呼吸が苦しい
肺炎や気管支炎 → 内科、呼吸器科

●ゼーゼー、ヒューヒューという音がする
気管支喘息 → 内科、呼吸器科

●3週間以上咳が続く
咳喘息 → アレルギー科、呼吸器科肺結核 → 内科、呼吸器科

●咳止めを飲んでもよくならない
逆流性食道炎 → 胃腸科

●夏に咳が長引く、微熱、痰、だるさ
夏型過敏性肺炎 → 呼吸器科へ


Q3.なんとなく喉がつかえている感じがします

A.女性に多いストレス症状のひとつかも。漢方薬が効く可能性もあります

検査で喉に異常がなく何も詰まっていないのに、何かがつかえている気がする……。喉のつかえ感は、更年期にもよく見られる、女性に多い症状。病名は『神経性食道狭窄症』。
心身症の一種で、ストレスからくる自律神経の乱れが背景にあります。こうした症状には、漢方薬の『半夏厚朴湯』がよく効きます。漢方外来や東洋医学外来などで相談してみてもいいですね。


Q4.寝ても疲れが全く取れません。異常な疲れは病気ですか?

A.貧血や更年期、運動不足も疲れの要因に。軽い運動で改善しない場合は、医師に相談を


内科では、まず疲労の原因として頻度の高い肝臓疾患や貧血から調べていきます。50代女性では、更年期症状も考えられます。ほかに、食生活や睡眠の乱れなど、生活習慣が原因になることも。血液循環が悪くなると、だるさや倦怠感を招きます。運動を習慣にするだけで、疲労を解消できることも多いです。ウォーキングなどを取り入れて。


Q5.できるだけ薬を飲みたくありません

A.西洋薬も漢方薬もあります。診察の際に主治医とよく相談しましょう

薬や副作用については、誤解も多いようです。日本は、保険診療で西洋薬も漢方薬も処方を受けられますし、どちらの薬にも副作用の可能性はあります。西洋医学で解決しないときには、東洋医学が役に立つこともあります。主治医に相談してみましょう。経済的に負担になるサプリなどの代替療法は、治療の最初の選択にしないほうがいいでしょう。

〈初診での症状の伝え方〉
医師に自分の不快感を伝えるにはどう言葉にすればいいの?
一番困っている症状を具体的に伝えましょう。他院にもかかっていれば、診断結果や処方薬(効いたかどうか)なども時系列で説明。「後医は名医」というくらいで、過去の病歴、診断・投薬歴などの情報があると、より診断しやすいそうです。

●問診で伝えるべきポイント
1:一番困っている症状は?
2:いつから、どれくらいの期間、困っているのか?
3:どのようなときに症状が出るのか?
4:血圧が高い(高め)など、健康診断で指摘されていること
5:過去の病歴・投薬歴など
6:遺伝的に多い病歴(家族歴)の有無


※症状や治療法には個人差があります。詳しくは専門医に相談してください

岡崎 史子さん
〈東京慈恵会医科大学病院 総合診療部 講師〉
総合診療医を目指して、外科、脳神経外科、整形外科で研鑽を積んだあと内科医となり、現在は総合内科専門医、循環器専門医として診療中。 医学生のコミュニケーション教育も行っている。わかりやすい説明には定評があり、モットーは「患者さんを笑顔で帰す」。

『50歳からの初診外来BOOK』のほか、健康、美容、料理など講談社くらしの本からの記事はこちらからも読むことができます。
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『おとなスタイル』Vol.7 2017春号より
出典元 https://kurashinohon.jp/729.html
取材・文/及川夕子 構成/伊藤まなび


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