現地時間の11月8日、ニューヨークで開催されたヴィクシーのファッション・ショー。今回のショーで、知っておくべきいくつかの事実をご紹介したいと思います。
①アドリアナ・リマがヴィクシー・エンジェルを卒業!!
1999年からヴィクシーモデルとして活躍し、18年間ヴィクシーのショーに出続けたアドリアナ・リマが今回のショーを最後に引退することを発表。37歳で、ヴィクシーモデルの中でも最年長・最ベテランのアドリアナのラスト・ステージに、客席からはスタンディング・オベーションが湧き起こりました。実は今までのショーでも、アドリアナと去年引退したアレッサンドラ・アンブロジオの出番ではスタンディング・オベーションが行われていたとか。
アラフォーになっても10代、20代のモデルたちと並んでステージに立つには、相当の努力が必要だったはず。現にアドリアナはストイックなダイエットやワークアウトでのボディメイクで知られ、ショー前は何があっても毎日ハードなワークアウトに励んでいたそう。そんなプロ意識が毎回観るものにも感動と敬意をもたらしていたのですよね。現在ヴィクシーには大学生が寮で着るのを想定した「PINK」ラインがあるけど、若い子向けだけじゃなく、PJの「SALON」ラインみたいに大人向けのラインも出せばいいのに〜〜〜!!
それでモデルにアドリアナやナオミ・キャンベルやエル・マクファーソンみたいなアラフォー、アラフィフモデルを起用したら、絶対に売れると思うんだけどな〜〜。本国ではヴィクシーの売り上げが落ちているという記事を読んだことがあるので、本気でCEOに提言したい。10代、20代の子よりも30過ぎてからの女性の方が下着にお金をかけるはず……っ!!
②有名というだけではオーディションに受からない
今回のショーではなくて去年のショーでのことですが、オーディション会場には今やジャスティン・ビーバーの妻となったヘイリー・ボールドウィンの姿も見られたとか。去年だってそこそこ知名度があったし、アレック・ボールドウィンの姪でもあるヘイリーですら、オーディションに落ちただなんて、やっぱりヴィクシーモデルへの道は険しいのであります。
③ウィングとハイヒールはすべてブライアン・アトウッドがデザインした
「PINK」ラインのデザイナーズコラボでは、今年はロンドンで活躍する「プリントの女王」と呼ばれるメアリー・カトランズとコラボしたカラフルなフラワープリントの衣装を纏ったモデルたちが登場。そして今回のショーでも4年連続、シューズデザイナーのブライアン・アトウッドがすべてのルックに合わせる100足の靴と18種類のウィングを担当。
写真:AP/アフロ
写真:Evan Agostini/Invision/AP/アフロ
④メイクを担当したシャーロット・ティルブリーはハイライターを使わなかった
ショーのメイクはシャーロット・ティルブリー、ヘアはアンソニー・ターナーが担当。ゆるめのカールヘアと、ローズ・トープ色と自然なツヤ感を大事にしたヘアメイクで上品なセクシーさが今回の特徴でした。ツヤ感がポイントのメイクなのに、シャーロットはハイライターを一切使用しなかったとか。その理由とは、彼女がグリッターが嫌いで、ナチュラルな艶にとことんこだわったから。代わりにメイク前にシートマスクでしっかり肌を保湿したあとに、クリームとリキッドタイプのベースメイクを混ぜてツヤ感を出したそう。ヴィクシーのショーでは毎回大量のハイライトが使用されていたから、これはちょっと意外!
⑤ベラ・ハディッドのバキバキに割れたシックスパックに釘付け
「痩せすぎ」と批判されることが多いベラだけど、今回は6つに割れた見事な腹筋を披露していて、思わず目が釘付けに。前回のショーに比べ、今回はボディメイクにバレエ・エクササイズを取り入れて、ヒップと腹筋を鍛えることを意識したそう。その成果出まくってますね!!
⑥「美のダイバーシティ」の意味について考えさせられる
モード界で「美の多様性」が声高に叫ばれる中、初のフィリピン系モデルであるケルシー・メリットや、肌が斑の色になる病を患ったウィニー・ハーロウを筆頭に、アフリカ系やアジア系など多種多様なモデルを起用したことも今回のショーの特徴。しかし開催直前のVOGUEのインタビューで、ヴィクシーのチーフ・マネージャー・オフィサーであるエド・ラゼック氏がトランスセクシュアルのモデルの起用について聞かれて「トランスセクシュアルのモデルは不必要だと思っている。ショーはファンタジーだから」と答えたことで炎上し、ショーが終わった後にエドが謝罪コメントを発表しました。
エドによると、今までトランスセクシュアルのモデルがオーディションを受けに来たことはあるけれど、ほかの女性モデル同様、ヴィクシーモデルに求められる基準を満たしていないために採用するには至らなかっただけで、セクシャリティがオーディションの選考理由になったことはないとか。
今までも時代の流れに合わせ、「2000年にはプラスサイズ専門のショーのTV放送をやろうとした。だけどそのアイデアに興味を示した者は誰も居なかった」んだそう。私もそう思います。
美の多様性を認めることは大事だと思うけど、それをヴィクシーのショーに求める必要はないんじゃないかなあ、と。ヴィクシーのショーは、一般人とはかけ離れたお人形さんのようなルックスを持った美女たちがランジェリーを着てるのになぜかイヤラしくならず、普段のハードな節制など微塵も感じさせない笑顔でランウェイを歩いてキラッキラの世界を見せてくれるのがその醍醐味。「ダイバーシティなら他所でやっとくれ!」というのが私の意見。
アカデミー賞で主演女優賞を受賞したフランシス・マクドーマンドが、スピーチの最後に「インクルージョン・ライダー(※撮影現場において、俳優及びスタッフに男女・人種の平等を保障するという契約条項)」と呟いたのがきっかけになったのかどうか、最近映画を観ていると、ハリウッドでもキャストの人種の多様性が急速に進んでいるのを感じます。だけどなんでもかんでも人種がいっぱい出ていればいいってものではなくて、中には必然性がないのに多様化するために無理やりねじこんだんじゃないかって思うようなアジア人や黒人が出てくるような作品もたまにあるんですよね……。それと同じで、もちろんセクシャル・マイノリティの人たちを尊重するのは大切なことだと思うけれど、なんでも一緒くたにして「差別だ!」と騒ぐのは違う気がする。コレが最近の行きすぎる「#MeToo」運動などを見ていても感じていた、私のモヤモヤです。
私の中では人間離れしているモデル代表と言えば、ロミー・ストリッジやエルザ・ホスク。もはや顔もスタイルも自分とは違い過ぎて(涙)。でもだからこそ、見ていて楽しいしテンションが上がってしまうのです。写真:AP/アフロ
前回紹介した1億円のファンタジーブラを着用したエルザ・ホスク!写真:Evan Agostini/Invision/AP/アフロ
こちらは3年ぶりの出演となるシャニーナ・シェイク。写真:AP/アフロ
今回は可愛い写真がたくさんあって選ぶのにも苦労しました(笑)。そんなワケで、私の死ぬまでにやってみたいことリストの中には「ヴィクシーのショーを現地で生で観る」が再び加わったのであります。
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