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『シンプルに生きる』の著者が提案、選択肢が多いほど不安も多くなる

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みなさんは、こういうお話をご存じですか?

いつも同じお人形と遊んでいる女の子がいました。クリスマスが来て、周りの大人が次々お人形をプレゼントしたので、お人形は6つになってしまいました。 するとその女の子はお人形遊びをぱたっとやめてしまったのです。大人たちは 「どうして遊ばないの?あなたはお人形遊びが大好きだったじゃない?」と尋ねると、女の子はこう答えたそうです。

「あんなにたくさんのお人形とは遊べないわ」と。

確かに、 「選択すること」は人生をよりよくするのに役立ちます。選択という行いそのものが、自分の人生を自分でしっかり把握し、自立するための一助となります。しかし、選択肢が多すぎることは不安を招き、ストレスを生じさせ、不満足な状態をつくりだす原因ともなると、もうみなさんも気付いているかもしれません。

現代の本当の問題は、選択肢が足りないことではなく、多すぎることなのです。次々と決断を迫られる状態は疲れます。これほど多くの選択肢のある生活は、人類史上いまだかつてなかったでしょう。

選択肢が多くなればなるほど、私たちの満足度が低下していきます。多くの選択をしなければならない状態は、私たちを麻痺させます。そして、選択するものも少なくシンプルだった一昔前を思い出しながら思うのです。魔法の妖精が現れて、代わりに選んでくれたらどんなにか楽なのに、と。

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ドミニック・ローホー
著述家。フランス生まれ。ソルボンヌ大学で修士号を取得し、イギリス、アメリカ、日本の大学で教鞭を取る。モノにとらわれず心豊かに暮らす「シンプルライフ」を自ら実践。それを本にまとめた『シンプルに生きる』(講談社+α文庫)が欧米、アジアでベストセラーに。他に『シンプルリスト』「限りなく少なく」豊かに生きる』(ともに講談社)など著書多数。また禅や墨絵を通して日本の精神文化に理解が深いことでも知られる。

 

<新刊紹介>
『バック・トゥ・レトロ 私が選んだもので私は充分』

ドミニック・ローホー 著 原 秋子 訳 1200円(税抜) 講談社

自ら実践する「シンプルな生き方」を発信し、フランスをはじめ欧米やアジア各国で、著書が累計250万部を超えるベストセラーに。本書には、「今いる場所で幸せになるヒント」「より良い運命の軌道に乗る秘訣」が綴られています。ものや情報があふれ、競争が競争を呼ぶ世界に私たちはいます。豊かではあるけれど、心は昔より「軽く」なったとは思えません。だからレトロに注目したのです――過去のよい記憶として残っているものは、イコール、シンプルな生き方のお手本になります。持ちものから、人間関係、ネットの情報、そして心の整理まで、生きる喜びをより感じられる上質な暮らしのために、ドミニック・ローホーがアドバイスします。


構成・文/柳田啓輔 (編集部)