“ミクシィ以後”の「好き・嫌い」が重視される時代とは?LinkedIn日本代表に聞く_img0
村上臣 大学在学中に、モバイルサイト開発会社「電脳隊」を設立。その後、会社の買収にともない2000年8月にヤフー入社。一度は退職するものの当時の経営陣に請われ、復帰。2012年4月からはヤフーの執行役員兼CMOとしてモバイル事業の企画戦略を担当。2017年11月にLinkedin日本代表に就任。複数のスタートアップの戦略・技術顧問なども務める。


“女性をはじめとする多様な人々が、しなやかに活躍できる社会”を創るイベント「MASHING UP(マッシングアップ)」が、11月29日(木)・30日(金)に開催されます。テクノロジーやジェンダー、メディアにメーカーと、当日はさまざまな分野の方が登壇しますが、今回はそのひとり、リンクトイン日本代表の村上臣さんにインタビュー。世界中の誰とでも簡単に繋がれる時代に、男女問わず、ひとにモテる人になるための極意を教えていただきました!
 

大事なのは、自分を出すことを恐れない気持ち

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ビジネスに特化したSNS「LinkedIn」で、人と会社、人と人の新しい繋がり方を目指す村上さん。さまざまな出会いのカタチを知るその目が見た“人を引き寄せる人”とは、一体どんな存在なのでしょうか?

「まず大前提として、人の悪口を言わないこと。本人のいないところで悪く言っている人が、人に好かれることは絶対にないです。ほんの軽口程度のつもりでもそういうのは印象として伝播するし、自分もこんな風に言われるんじゃないかと思ったら何も話せないですよね」

そんなの当たり前、と思うかもしれませんが、共感や親密さを求めてつい「あの人、ちょっとね……」などと言ってしまったこと、多くの人は経験があるのではないでしょうか。また、相手の顔が見えないことから思ったことをそのまま発してしまいそうになるSNSの危うさは、誰もが感じたことがあるはず。

「他人についてあれこれ言うくらいなら、自分のことを話すべき。妙な自虐などなしに、自分のことをきちんと話せる人には、男女問わず人が集まってくると思いますね。こんなこと言ったら変に思われるとかカッコ悪いとか、とくに40〜50代は自分を出すことを恐れる人が多いけれど、誰だってただ漫然と生きてきたわけじゃない。いろんな経験を積んで、よりいろんなものが見えているはずですから、もっとオープンに自分を語ってほしいですね」

 

善悪より「好き・嫌い」が重視される時代

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実際LinkedInでは、プロフィールから発信した好きなモノや得意分野が新たなビジネスに発展することも多く、「これはビジネス以外の場面でも同じだと思う」と、村上さん。とはいえ、自分から発信することそのものにハードルの高さを覚える人も多いでしょう。私には人に言えるような実績がない、という場合の代替案は?

「自分が『すごい!』と思う人を集めて飲み会を開いたり、何か聞かれて答えられないなら、分かる誰かに代わりに聞いてあげたり。周りを繋げるハブ役になるのはひとつの手だと思いますね。……ただ、何か好きとか得意とかなんて正直、言ったもん勝ちです(笑)。何事にもきちんとした正解を求めてしまうのはこの世代の人たちの悪いクセ。僕はそういった“善悪のフレーム”から、そろそろ脱するべきだと思っています」

これは、教師を絶対的な存在とし、すべてを“正解・不正解”で教えてきた日本の教育にも原因があるとか。自由に“好き”を発信するためには、知らず知らずのうちに刷り込まれた前時代的な感覚に、自分から気付くことが大切なのかもしれません。

「そして社会人になって誰もが気付くとおり、仕事に正解はないんですよね。もちろんある程度の目標達成は求められるけれど、そこに辿り着くまでの道順は何だっていいし、無数の選択肢から何を選ぶかはその人次第。世の中がものすごいスピードで変わっていくなかでは、今日の正解が明日の不正解になることもありますしね。こうした流れから、最近は善悪よりも“好きか・嫌いか”のほうが重要になりつつあると感じます。これはアメリカのトランプ大統領がいい例ですね。彼を好きな人と嫌いな人、どちらの視点でみても納得感があるし、どちらを選べば正解、ということではないですから」

 

ネット社会の今は、どんな趣味の仲間とも繋がれる

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さまざまなSNSの登場により、他人との比較が容易になったことで、自分を出すことが以前にも増して怖くなってしまったという人もいるはず。ただ一方で村上さんは「SNSで変わったのは、むしろニッチな趣味の人たちの世界」といいます。

「今までは、大衆にウケないものはまず表に出てこなかったし、情報としても存在しなかった。それが今なら、たとえそれを趣味にしている人が日本に10人しかいなくても、頑張れば好きな人同士で繋がれる。ちなみに僕はこれを“ミクシィ以前・以後”と呼んでいます。自分をオープンにすればその分、『あの人変わってるよね』なんて言われることも増えるでしょうけど、そういう人とは以後関わることもないんだから(笑)、気にする必要ないですよ。好きなモノで繋がった人とは男女も年齢も関係なく仲良くなれるし、そこからより深い仲になることだってあるだろうし」

実は村上さん、プライベートでは“恋愛相談役”として周囲の女性たちから絶対の信頼を寄せられているとの情報をキャッチしたミモレ編集部。言うとおりに戦略を変えて結婚した人もいる(!)という“大人の女性のための恋愛指南”も後編で根掘り葉掘り聞いてみました。お楽しみに!

撮影/横山順子
取材・文/山崎恵
構成/柳田啓輔

 

MASHING UP
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女性をはじめとする多様な人々が、しなやかに活躍できる社会のために、業種や国、性別、コミュニティを超えた500名以上が参加。ワークショップやグループセッションなどの参加型コンテンツで、新しいネットワークやビジネスの創出を目指します。29日にはミモレ編集長・大森も登壇。
日程:2018年11月29日(木)、30日(金)
会場:TRUNK(HOTEL) 東京都渋谷区神宮前5-31
※イベントの参加にはチケットが必要です(10800円/1日)。チケット購入やその他の詳細はこちらから

【ミモレ専用割引コード】:MU1811mimollet
申し込みページ:https://mashing-up.mediagene.co.jp/mashingup02/tickets/
2日間チケット18000円→15000円(税抜)での特別価格での提供になります。

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