土鍋使いの真骨頂のひとつ、鍋物。寒い時季はもちろんのこと、カーッと温まって元気になりたいときには春でも夏でも秋でも鍋物はいいものです。土鍋ひとつで肉も野菜も食べられるから、時間がない! というときにもってこいの料理でもあります。
そこで三重県の伊賀・丸柱に江戸時代より続く窯元「圡樂」の福森道歩さんに土鍋で作る「もつ鍋」の作り方を教えていただきました。
もつ鍋
もつ鍋といえばしょうゆ味、みそ味など作り方はいろいろですが、コチュジャンと豆板醬でピリッと辛みをきかせた煮汁で煮込みます。野菜はキャベツ、もやし、にら。シメは断然ラーメンがおいしく、インスタントラーメンを使うのがミソ。
材料(4人分)
・牛もつ(新鮮なもの)……500g
|塩……大さじ3
|酒……50ml
・キャベツ……1/4個(250g)
・もやし……1袋
・にら……1束
・たれ
|コチュジャン……大さじ6
|酒、みりん……各大さじ3
|みそ……大さじ2
|しょうゆ……大さじ1
|豆板醬(トウバンジャン)……小さじ1
|にんにくのみじん切り……2かけ分
|しょうがのみじん切り……1かけ分
・インスタントラーメン……1~2個
[下準備]
● 牛もつに塩をふってもみ、水洗いして水けをきり、酒をまぶす。
● たれの材料を混ぜ合わせる。
● キャベツはひと口大に切る。もやしは根を取る。にらは3cm長さに切る。
作り方
1.下準備をした牛もつをボウルに入れ、たれ大さじ5を加えてもみ込む。
2.土鍋にキャベツを入れ、もやしを広げ入れる。
3.もやしの上に①の牛もつをのせる。
4.③にふたをし、弱めの中火に5分ほどかけ、野菜から水分が出てきたら強火にして10分ほど煮る。もつに火が通ったらにらを入れ、さっと煮て取り分ける。
■シメ
具が少なくなってきたらそろそろシメ。インスタントラーメンをかたまりのまま入れ、弱火でふたをして蒸し煮に。菜ばしで麵をほぐし、全体を混ぜます。絶品ですよ!
今回使った土鍋:口付黒鍋9寸(直径約29cm×高さ約15.5cm)
『スゴイぞ!土鍋』
著者 福森道歩 講談社 1500円(税別)
一器多様の使い方ができる優秀な調理器具――それが土鍋です
●土鍋は使うほどに魅力が出てくる道具●土鍋料理のツボは火加減にあり
●ほんの少しコツを覚えると、土鍋のおいしさにはまります●土鍋の「作り手」と「使い手」ならではのお料理をお伝えします●土鍋は器として食卓に出しても盛り栄えする大鉢に
〈大推薦!〉
うまいものができる。笑う。それ以上に、なにをのぞむ。――糸井重里
道歩ちゃんのもっている、“絶対音感”のような“絶対味覚”に憧れています。この本と土鍋にキッチンの特等席を確保しましょう。冬のあったかお鍋をするだけじゃもったいない。この本のように土鍋で普段の料理を作ってみてほしいです。きっとびっくりします。――飯島奈美
『スゴイぞ!土鍋』のほか、料理、美容・健康、ファッション情報など講談社くらしの本からの記事はこちらからも読むことができます。
講談社くらしの本はこちら>>
写真/中里一暁
出典元:https://kurashinohon.jp/834.html
・第1回「1年中使える土鍋活用レシピ「土鍋職人が教えるカリカリチキン」」はこちら>>
・第2回「体もポカポカ温まる!たっぷりしょうがの炊き込みご飯を土鍋で」はこちら>>
福森 道歩(フクモリ ミチホ)
三重県の伊賀・丸柱に江戸時代より続く窯元「圡樂」の七代目で陶芸家の福森雅武氏の四女として1975年に生まれる。短大卒業後、料理研究家村上祥子氏のもとで3年、辻調理師専門学校で1年、料理を学んだ後、大徳寺龍光院にて1年禅寺での生活を経験する。2003年家業に入り、土鍋を作る傍ら、「食」と向かい合う日々。名料理人でもある父・母ゆずりの味覚の確かさ、「食」を通して喜んでもらいたいと思う心、きらめく若さに満ちた勢いのある料理が多くの人々を喜ばせている。