スナック菓子の食べ過ぎを簡単にやめられる4つの方法_img0
 

「食べ過ぎ」と聞いて、ドキッとする方はきっと多いはずです。
「口寂しくてチョコやお菓子をしょっちゅう口にしてしまう」
「ポテトチップスを開けたら、袋が空になるまで食べきってしまう」
こんなふうに、つい食べ過ぎて後悔した――という経験がない人は、おそらくいないのではないでしょうか。わかってはいるけど食べ過ぎてしまう、やめられない、止まらない、それはどうしてなのでしょう?
肥満専門外来で約20年間肥満患者の減量指導にあたっていた、岡嵜順子先生の著書『なぜあなたは食べ過ぎてしまうのか』からその事例と解決策を紹介します。

〈お悩み〉やめられない、止まらない!
ポテトチップスなどスナック菓子を開けたら最後、空になるまで食べてしまいます。(女性・29歳)

ポテトチップスのパリパリとした食感と、絶妙な塩加減。何とも言えず後を引きますよね。開けたら最後、空になるまで食べ続けてしまう気持ちはよくわかります。でも食べ過ぎてしまうのは「好物」という理由だけではない場合もあるのです。
パソコン関係の仕事をしているHさん(女性)は、仕事柄1日中誰ともしゃべらず、黙々と作業をすることが多いそう。
「仕事が立て込んでくると、なぜだか無性にポテトチップスが食べたくなるんです。味も好きなんですが、それ以上にあのパリパリ感が欲しくてたまらなくなるんですよね。食感が心地よくて、つい食べ続けてしまうんですけど……私って何かおかしいんでしょうか?」

いいえ、ちっともおかしくありません。実は噛むことは、とても“快感”なんです。人はイライラしていると、知らないうちにかなりの力で奥歯を噛みしめてしまいます。Hさんの場合、細かい作業をしているので、緊張も強いのではないでしょうか。人と話す機会も少ないようですから、気分転換もしにくい状態かもしれません。つまりパリパリ感を求めるのは、リラックスしたいというHさんの心のサインなんですね。患者さんの話を聞くと、スナック菓子に手を伸ばしてしまうときは、イライラしているときが多いことがわかります。
また、ポテトチップスなどのスナック菓子が“やめられない、止まらない”のは、「パリ、パリ、ゴクッ」「パリ、パリ、ゴクッ」と数回噛むだけでリズミカルに飲み込める大きさ、というのも関係しているようです。軽快なリズムでポイポイ口に放り込んでいたら、一袋なんてあっという間。イライラはおさまっても、カロリーオーバーは確実です。

この緊張感を解放してあげるには、噛んで口を動かすことが一番。噛むという行為をしながら食べ過ぎないですむ折衷案を考えて、上手に“噛む快感”を自分に与えましょう。


【解決方法】
① 少量ずつ食べて、残りは目の届かないところにしまう
意志の強い人は、少量食べを。小皿に少量だけ取り出し、残りはすぐに封をして見えないところへしまいます。見えるところに置いておくと、すぐに手が伸びてしまいますが、わざわざ立ち上がって取りにいかなければならないところ(例えば、踏み台に乗らないと届かない戸棚など)に置いておけば、面倒くさくて「もういいや」と思えるものです。袋の口をきっちり留め、密閉できる保存袋に入れて冷凍庫にしまっておけば、湿気るのを防ぐことができるのでオススメです。

② 嗜好品の買い置きはほどほどに。買うなら小さいパックを
どうしてもスナック菓子が食べたいなら、小さめの袋を選びましょう。大袋は1袋で500キロカロリー超。小袋は300キロカロリー程度です。ただしくれぐれも買い置きはしないこと。

③ カロリーオーバーにならずに“噛む快感”を味わえるものを選ぶ
生野菜やスルメ、シュガーレスのガムなど、噛み応えのあるものを選んで“噛む快感”だけ味わいましょう。噛むことは小さな有酸素運動です。噛むと、アゴからこめかみの辺りの筋肉まで使います。また、脳が活発に機能するという効果もあるので、仕事中は特にオススメです。おまけに表情筋まで鍛えられて若さも保てますよ。

④ スナックに代わる「やみつき食品」を選ぶ
油脂や甘みは、生きていくうえで活動の基になるカロリーを用意に摂取しやすいので、ついクセになってしまいます。同じやみつきになる食品でも、大量に摂取しにくいものを選びましょう。出汁の利いた汁物に含まれている、イノシン酸やグルタミン酸、アミノ酸は、脳にβ-エンドルフィンを分泌させ、鎮静効果と多幸感を与えます。その結果、やみつきになりやすく、飲んだ後の満足感が高くなります。ですので、生野菜やガムでは物足りない、という方には出汁の利いた汁物の方がオススメです。温かい汁物は体を芯から温めてくれ、リラックス効果もあります。しかもカロリー少なめ、一気にがぶ飲みもできません。インスタントのカップスープでも構いません。無性にポテトチップスを食べたくなったら、温かい汁物で、ホッとひと息つきましょう。

“食べ過ぎ”を改善するには、まず、食べ過ぎてしまう原因に気づくこと。そして自分にピッタリの解決方法を見つける。そして、行動をほんのちょっとだけ変える。それだけで、あなたの食べ過ぎは必ずやめられます。無理なく、楽しく、心地よく! 食べる喜びを味わいながら、太らない身体と習慣を作りましょう。


岡嵜 順子(おかざき じゅんこ)
臨床心理士、交流分析士。 大阪市北区の総合病院肥満専門外来にて、20年間、2万人以上の患者の指導にあたり、減量を成功に導く。著書に、『Q&A 生活習慣病の科学』(共著、京都大学学術出版会)などがある。

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『なぜあなたは食べ過ぎてしまうのか』
岡嵜 順子 著 1200円(税別) 講談社


肥満専門外来で、2万人の患者を痩せさせた臨床心理士が伝授する、誰でも必ず成功するダイエットのヒント。著者の豊富な実例を挙げながら、食べ過ぎてしまう理由とその解決法を紹介します。「もったいない」「誘いを断れない」「イライラすると食べてしまう」「デザートは別腹」……など、あなたにもあてはまる原因がきっとあるはず!

『なぜあなたは食べ過ぎてしまうのか』のほか、料理、美容・健康、ファッション情報など講談社くらしの本からの記事はこちらからも読むことができます。
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構成/生活文化編集チーム

出典元:https://kurashinohon.jp/943.html

・第2回「「もったいない」による食べ過ぎを防ぐ、今からできる簡単なルール」はこちら>>
・第3回「ストレスで「やけ食い」が止まらない時の3つの解決法」はこちら>>