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「住・食・衣」。 デンマークと日本で異なる暮らしの優先順位

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はじめまして。料理家の行正り香です。
昨年末、『行正り香の家作り』という本を出版しました。2013年に『行正り香のインテリア』というインテリアの基本を学べるような内容の本を出しまして、その後、インテリアに関する講演に呼ばれるようになったりして、もともとインテリアが大好きだったところにたくさんの知見や経験を得て、それをわが家にもいかしてきました。

キッチンをリフォームしたり、壁や床を変えたり、ソファをなくして椅子の暮らしにしてみたり……と、この5年の間の変化をもとに、そもそもどういう家、空間が本当に居心地がいいのかということを今回の新しい本で提案しています。

 

そしてその間、デンマークの文化やインテリアの魅力を広めることに貢献したとして、2017年に「デンマーク親善大使」(日本との国交樹立150周年にちなむ)を拝命し、改めてデンマークに深く根づいている“hygge“、ヒュッゲという考え方について学ぶ機会に恵まれました。

ヒュッゲとは、日本語に訳しづらい言葉なのですが、「人と人との関係を結ぶ、心地よくあたたかい空間や時間」というような意味で使われています。デンマークでは、椅子や器などの生活工芸に価値をおいて、家族や友人との時間をなによりも大切にします。子どもたちも、小さなときから「ヒュッゲな生活」を目標とする感覚を育てられるのだそうです。

デンマークを代表する建築家、家具デザイナーのフィン・ユール邸にて。彼自身がデザインした家は、仕切りのない空間作りや光の取り入れ方、家具の配置など参考になることがたくさん。

日本人は暮らしのうえで大切なことを「衣食住」と表現しますが、デンマーク人にとってその順番は「住・食・衣」。生きていくうえで大切だと考える順序が私たち日本人と少し違うようなのです。

私がこれまで学んできたこの”ヒュッゲ“な暮らし方について、ここでは心地よい家を作るという面で、その一部をご紹介していきたいと思います。

PROFILE 行正り香/ゆきまさりか

高校3年時にアメリカに留学し、カリフォルニア大学バークレー校を卒業。CMプロデューサーとして広告代理店で活躍後、料理家になる。ふたりの娘と夫の4人暮らし。『だれか来る日のメニュー』、『19時から作るごはん』『行正り香のインテリア』ほか著書多数。サントリーのハイボールやアメリカンビーフ協会などテレビや広告などの料理も手がける。2018年には子どもから大人まで英語の基礎が学べる「カラオケEnglish」をローンチする。

行正さんのインテリア講演会が講談社で行われます!
2月2日(土)、11時〜12時半です。
以下のURLより、お申し込みくださいませ。
http://fooddays.jp/?p=9380
※ミモレスタッフによるアテンドはございません

 

<新刊紹介>
『行正り香の家作り ヒュッゲなインテリア』

オールカラー128ページ 1600円(税抜)/講談社刊
ISBN 978-4-06-513068-1

“心地よくあたたかい空間や時間“という意味のデンマークならではの言葉、ヒュッゲをキーワードに家づくりと暮らし方をデンマーク親善大使(2017年 日本・デンマーク国交樹立150周年)の著者が提案します。


構成/山本忍(講談社)