子どもが欲しいのになかなかできない……。そんな女性にとって何より辛い社宅暮らし。子どものいる家庭を見て妬みの気持ちを募らせたり、はたまたお母さん集団を前に肩身の狭い思いをしたり……。でも社宅を出たくないというとき、どうしたら!? コラムニストの石原壮一郎さんが、解決の一案を提案してくれました。
磯じまんさんからの質問
Q. 子どもがいる家庭への妬み心をこじらせています……。
36歳、自宅自営の兼業主婦で、数年前から不妊治療中です。夫の会社の社宅に暮らしていますが、まわりのお宅はほぼ全て子持ち、何となく肩身の狭い思いをしています。一対一だとお喋りのできる方もいますが、お母さん集団になると威圧感が強く、前を通るときなどは本当に苦痛です。また、当番によっては小さな子がいない家がやる慣例になっており、その度に小さく傷付けられます。外で働いていればあまり気にならないかもしれませんが、不妊治療を優先したいため自宅勤務を続けたいと思っています。家を購入する選択もありますが、夫が転勤族でいつ異動が出るか分からず、また家族の形が定まらない状態での持ち家にはなかなか踏み切れません。妬みの気持ちをこじらせた私は、どのような心持ちでいたらもう少し楽に生きられるでしょうか。
特別ゲスト 石原壮一郎さんの回答
A. 新しい呪縛に縛られるくらい、
夫婦二人の良さを夜な夜な考え上げてみてください。
子供がいないことに関して気持ちをこじらせて悩んでいらっしゃるとのこと。こればかりは理屈ではないですもんね……。30代後半ともなると焦りもあるのだと思いますが、私の周囲には、もはやなぜ子供が欲しいのかも分からなくなったまま、自分を追いつめていらっしゃる方も少なくありません。
この呪縛から逃れるには、空元気、空威張りも大切だと思うのです。逆転の発想で、「子供がいないとこんなにいいことがある」ということを数え上げてみてはいかがでしょう? たとえば「こんなに仕事に没頭できる」とか「夫と二人で旅行に行きまくることができる」とか「子供お断りの高級ディナーに行ける」とか。加えて、「子供がいないってかわいそう」という目で見てくる人たちが、子育てに縛られて何もできずいかにかわいそうか、ということも書き連ねてみてください。そうして「子供がいる人生って大変そう……」と新しい呪縛に縛られるくらい、夫婦二人の良さを毎晩考え尽くすのです。あくまで一つの提案ですが、もしかしたら少しは気持ちが楽になるかもしれませんので、良かったら試してみてください。
なかなか先のことは分かりませんから、今は、今の自分を少しでも楽にしてあげることを考えるほうが良いと思うのです。家の購入は難しいとのことですが、賃貸物件に引っ越す手もありますよね。引っ越しをすると、単純に忙しくなりますから、かなり気持ちも紛れると思います。それで子供がいたら到底住めないような綺麗な物件に移り住んで、インテリアも美しく飾り、社宅の人たちを招待して自慢し返してみてはいかがでしょうか?
- 石原 壮一郎(いしはらそういちろう)1963年生まれ。コラムニスト。月刊誌の編集者を経て、1993年に『大人養成講座』でデビュー。以来、『大人の女養成講座』、『大人力検定』、『大人の合コン力検定』など大人をテーマにした著書を発表し続けている。近著に『9割の会社はバカ:社長があなたに知られたくない「サラリーマン護身術」』(飛鳥新社)、『本当に必要とされる最強マナー』(日本文芸社)、『大人の人間関係』(日本文芸社)などがある。 この人の回答一覧を見る
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