「女」度が高い人が同性に嫌われるワケ

 

「女」度が高い・低い、というのも私が作った造語なのですが、「女」度が高い人は「女」に警戒心を抱かせます(選ばれる上での競争相手になってしまいますから)ので、自分の「女」度を下げることは、「女」を癒やしつつ、攻撃対象にならずに生きていくための処世術としてとても効果的なことです。
さっぱりした女性は女性に好かれる、というのはそういう現象です。

「女」度を下げるには、下に挙げたリストのような自分の姿勢に気づき、手放す、という作業が必要です。
「そんな姿勢でいたら、反撃を受けて、人生の質が『絶対に』悪くなる」ときっぱり自分に言い聞かせるのです。一見するとその場では得をするように思えても、最終的には必ず損をします。

どんな人の中にも「女」はあるのですが(そして時期によってその強弱もあるのですが)、意識して「女」度を下げることで、女性との関係は明らかによくなります。

私自身は「女」度をとても低くして生きてきた人間ですが、女性と働きにくいと感じたことは、他の人よりもずっと少ないと思います。むしろ、一番働きやすかった相手は女性だったかな、と振り返っているところです。

自分の「女」度を下げると、相手の「女」度も下がるのです。
すると、「女」の嫌な部分を経験しなくてすみ、仕事もとてもしやすくなるのです。

また、もう一つ、大切なことは、相手の「女」を軽蔑しないことです。相手は傷ついた存在で、必要なのは「癒やし」なのですから、軽蔑は百害あって一利なしです。

拙著『女子の人間関係』では、特に、自らの「女」度を下げること、そして、他人の「女」を軽蔑せずにむしろ癒やすことによって、女子の人間関係を扱いやすくすると同時に、女性全体のエンパワーメントにつながることを目指しました。
 女性・男性それぞれからいただいてきた感想を見ると、その目的はかなり達成されているように思います。

私は主に脱・「商品」を目指していきたいと思っているのですが(そのテーマとして、恋愛や加齢をこのあと取り上げていきます)、それは実は、「男性から選ばれる」という「女」の受動性から脱することを意味する、と思うのです。
つまり、女性がいつまでも「選ばれる性」にとどまる限り、「選ばれない」女性は、「望まない結婚でも一定年齢になったらしなければならないもの」だったはずです。

しかし現代は、そんな時代とは異なり、一生、結婚どころか恋愛も経験しない、ということがあり得るようになりました(そもそも、結婚しなければ女性の人生が成立しなかった時代には、お見合いや政略などによる強制的な結婚が普通だったわけで、「結婚できる」「できない」のハードルは今とはだいぶ違うところにあったと思うのです)。

また、女性がまな板の鯉のようにただ「選ばれる」のを待つのであれば、男性がより若い(出産可能性の高い年頃の)女性に惹かれるのをどうしようもできない、ということになります(4そんな男性ばかりではありませんが!)。

つまり、「加齢はいわゆる劣化」ということになりますね。だから、「女の市場価値はいくつまで?」などという歪(ゆが)んだ記事が発生してきてしまうのです。
これこそ女性の「商品」化であり、とても女性のエンパワーメントにはつながりません。もちろん、私はそうでない方向に考えていきたいと思います。
「女」度を下げるのは、楽に生きるための第一歩だということをより深くご説明してまいります。

嫌な「女」の特徴
□「 女の敵は女」とよく言われるように、自分よりも恵まれた女性に嫉妬し、その足を引っ張ろうとしたり、幸せを奪い取ろうとしたりする。
□ 表裏がある。表ではよい顔をしていても裏では陰湿。
□ 男性の前で「かわいい女」「頼りない女」を演じる。
□ 他の女性を差し置いて、自分だけが好かれようとする。
□ 恋人ができると変身する。すべてが恋人優先になり他の女友達には「無礼」と
しか思えない態度をとるようになる。
□ すぐに群れたがる。「群れ」の中では均質を求め、「自分と同じ」ではない異質なものを排除しようとする。
□ 自分とは違う意見やライフスタイルを持つ相手を尊重できず、「自分が否定された」とみなし 、そういう人を「敵」ととらえる。
□ 感情的に「敵」「味方」を決め、自分をチヤホヤしてくれる人には限りなく尽くす一方、自分の「敵」に対しては、とことん感情的に攻撃する。その感情的攻撃は、多くの場合「正論」という形をとる。
□ 陰口やうわさ話、つまり他人についてのネガティブな話が好き。
□ ストレートに話さず、間接的で曖昧な話し方をして、「ねえ、わかるでしょ」というような態度をとる。そしてわかってもらえないと機嫌が悪くなる。
□ 相手のことは自分が一番よくわかっている、という態度で、悪気はなくても、意見の押しつけをしたり決めつけをしたりする。
 
 

『女に生まれてよかった。と心から思える本』

著者 水島広子 朝日新聞出版 ¥1300(税別)

「女性に生まれなければよかったのに」と思ったことはないだろうか。女子力からはじまって、加齢や美醜、モテ……。女性として生きるのに現代は面倒くさすぎる。全てのダメ女子たちに心から自分を肯定し、女であることに幸せを感じられる方法を伝授する。

構成/藤本容子(編集部)

・第2回は4月8日公開予定です。
・第3回は4月11日公開予定です。お楽しみに!

 
  • 1
  • 2