©C-JeS Entertainment

4月上旬から東京・神戸・名古屋で開催された「2019 WAY BACK XIA TOUR CONCERT in JAPAN」。約3年ぶりとなった日本でのツアー、そのレポートをお届けします。

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今回のジュンスのツアーは、2年間の兵役から戻った直後で、しかも日本での3年ぶりということで、待ちに待っていた日本のファンも多かったのではないでしょうか。いまや韓国を代表するミュージカルスターとして大成功を収めている彼、そのお仕事の中心はミュージカル公演ですから、日本でバンバン活動していた以前のようにはいかないんですよね。もちろん多くのファンがミュージカルを見に韓国へと足を運んでいるのでしょうが、やっぱり役を演じているジュンスだけじゃなく、彼自身のパフォーマンスが見たい!というのがファンの本音。

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登場の3曲「OeO」「Intoxiton」「Tarantallegra」ではその期待に十分に応え、ミュージカルではあまり見られないダンスパフォーマンスを存分に楽しませてくれました。“韓国スターあるある”ですが、兵役明けなので身体もシャープでキレッキレです。ジュンスのいいところは、こういうゴリゴリのダンスナンバーもカッコいいと同時に、7、8曲目の「Out of Control」「Set Me Free」のような遊び心のあるダンスもいい具合にカッコいいこと。ほんとにダンスの上手い人なんだなーと思います。

さらに彼の大きな魅力は、それだけのダンサーでありながら、歌唱力も抜群であること。韓国には両方ともできるアーティストは少なくはありませんが、ジュンスの場合はただ上手いだけじゃなく、その歌の世界観をドラマとして表現できるんですね。これは彼がアイドルからすぐにミュージカルに転身できた理由でもあるし、そしてミュージカルを通じてさらに磨かれてきた部分だと思います。

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今回のライブでそれを最も強く感じたのは11・12曲目「打上花火」「悲しみの行方」。
「打上花火」はDAOKO × 米津玄師で発表された曲のカバーです。元曲は米津玄師の独特のグルーブ感と今っぽいカッコよさがあるのですが、ジュンスのバージョンは少しキーを高くした、シンプルなアレンジ。それが彼特有のハスキーボイスと囁くような歌唱法と相まって、壊れてしまいそうに繊細な、全然別の曲になっています。(もちろん、そもそもが、どえらく難しい曲だということも言っておかねばなりません)。

そして「悲しみのゆくえ」は、彼が最も得意とする“歌い上げ系”の大バラード曲。こういう歌は、例えばドラマのバックにかかるより、彼の歌声だけに向き合って聞くライブが一番。本当に聞いているだけで胸が苦しくなり、泣きそうになりました。

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自分が見せたいもの、聞かせたいものと、ファンが見たいもの、聞きたいものの乖離はどんなアーティストにもあり、ライブは、その両者のバランスを取って緩急をつけ、さらにMCなんかも入れながら、退屈したり途中でダレたりしない構成を作るもの。でもそれが実際に機能するかどうかはまた別の話じゃないかなと思います。ジュンスの場合、それほど大掛かりなセットがなくてもそれが機能するのは、彼がひとりでほんとになんでもやれるから。「10代の頃のアイドル力を発揮して(笑)」、大塚愛の『さくらんぼ』なんかもかわい~く歌ってもぜんぜん大丈夫。日本人の30代の男性歌手は、なかなかこういうこと、求めてもやってはくれませんよね。やってくれるんですよ、韓国スターは。でもってちゃんと可愛くできちゃうのがまたすごい。

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そして、ファンにはおなじみの「GENE TIME」――ディズニー映画『アラジン』の魔法使いジーニーにちなみ、ジュンスが客席からの3つのリクエストに応えるというMCの時間です。そこでの客いじりの、堂にいったこと。ファンが待ってましたと準備したボードを次々と掲げ、そこに絶妙な突っ込みを入れながら進むのですが、私がいった東京・幕張公演最終日では、「319,000円」というボードから「ジュンスが兵役に行った日から今日までの毎日500円玉貯金の貯金額」を書いたなんてエピソードを聞き出すわ、すごい昔に撮られた超ダサい「空港ファッション」の写真をボードにして持って来たファンをきっちり拾って笑いにするわ、「この曲踊って」というリクエストに「音楽がない」と言ったら別のファンがCD持ってきてるわ。ファンとの驚くべきコンビプレーが展開していました。

ライブには昔の曲のメドレーなんかもあり、そこで盛り上がるファンを見ていると、みんなほんとにずっと、長く応援している人たちなんだなあなってことも実感しました。MCの時に「6~7年、日本での活動ができていないので、また日本でライブができるかどうか不安だった」なんてことも言っていたのですが、それを待っていてくれるファンって本当にすごいなあと。こちらは私個人の“韓国スターのライブあるある”で、ライブそのもの以上に、スターとファンの関係や、ブレないファンの思いに、感動してしまった私だったのでした。

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<今回のセットリスト>
1.OeO
2.Intoxication (JP ver.)
3.Tarantallegra
4.Fantasy
5.No reason
6.Flower(JP ver.)
7.Out Of Control
8.Set Me Free
9.Lullaby
10.メドレー(SKY-Rising Sun-Purple Line-MIROTIC-Summer Dream)
11.打ち上げ花火
12.悲しみのゆくえ
13.Uncommitted
14.F.L.P
15.Incredible
アンコール
16.さくらんぼ
17.Rock the World

タイトル:「2019 WAY BACK XIA TOUR CONCERT in JAPAN」

【千葉公演】 幕張メッセ国際展示場4~6ホール
4月2日(火) 開演19:00/4月3日(水) 開演19:00

【神戸公演】 ワールド記念ホール
4月12日(金) 開演19:00/4月13日(土) 開演17:00/4月14日(日) 開演16:00

【愛知公演】 ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)
4月18日(木) 開演19:00/4月19日(金) 開演19:00

主催:GANADA COMPANY / C-JeS Entertainment / StubHub
制作:PROMAX
宣伝:MIDUMU
運営:【千葉公演】Kyodo YOKOHAMA 【神戸公演】グリーンズコーポレーション 【愛知公演】ズームエンタープライズ

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