自律神経研究の第一人者である順天堂大学の小林弘幸教授によると、病気が寄り付かず、いくつになっても元気な“病に嫌われる人”と、自ら病気を引き寄せてしまう“病に好かれる人”では、普段の思考や感情のパターンが大きく異なるとか。
特に、病に好かれる人がとらわれやすい感情が“怒り”。これに対し、病に嫌われる人は怒りを上手くコントロールする術を心得ていて“怒らない”傾向があると、『病に好かれる人 病に嫌われる人』の著者である小林教授は話します。その理由を伺いました。


怒りっぽい人は病に好かれやすい!


病に嫌われる人の大きな特徴は、“怒らない”ことです。
“怒る”というと、ほとんどの人は、“私はそれほど怒るタイプではない”と思うかもしれません。怒りを表現せずに我慢してしまう人も多いでしょう。
しかし、怒りとは、誰からもわかるくらい激怒することだけを意味するわけではありません。
たとえば、満員電車の中で人にぶつかられてムカムカしたり、レジの会計で待たされてイライラしたりといったことも、小さな怒りです。
また、怒りたくても我慢してしまったときに生まれる苛立ちやあきらめも怒りのひとつです。
怒りは、その程度が大きくても小さくても、自律神経を乱してしまいます。
怒ることを“カッとする”といいますが、この“カッ”とする瞬間に、交感神経が活発になると思ってください。

怒りを感じているときは、目が充血したり、顔が赤くなったり、額に汗をかいたりします。これらはすべて交感神経が急激に高まっているときに起こる反応です。
そして交感神経が活性化すると、心拍数が増えて、血管が収縮し、血圧が上がって、血流は悪くなり、ひとつひとつの細胞に血液が行き渡らなくなってしまいます。
急激な血圧の上昇や心拍数の増加は、脳梗塞や脳出血、心臓発作を起こすリスクを高めます。

 
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