年金に加入していた期間も重要です。
年金を満額受給するためには40年間加入する必要がありますが、間に未加入や未納の時期があると、この分は年金から差し引かれます。転職時の事務手続きのミスなどで、未加入期間が生じているケースは少なくありませんから注意してください。
自分がもらえる年金の額やこれまでの加入状況は「ねんきんネット」にアクセスすれば確認できます。ねんきんネットは、自分の基礎年金番号があればユーザー登録できるので、ぜひアクセスしてみてください。
今、問題となっている将来の年金減額ですが、現在、厚労省が示している年金財政のシミュレーションによると、このまま低調な経済状態が続いた場合には、現在40代後半の人が年金をもらい始める2036年には、現在の水準から約2割減額される見通しとなっています。
筆者も独自に試算を行いましたが、現在の水準から2割もしくは3割減額しないと、年金財政は安定しないという結論が得られています。やはり、ある程度の減額について覚悟する必要がありますが、逆に考えれば、このくらいの減額を受け入れることができれば制度の維持は可能です。「将来、年金はなくなるかもしれないので、保険料を払いたくない」という声をよく聞きますが、筆者はやはり払った方が得だと考えます(年金保険料の支払いは義務であるという話は一旦、横に置いておきます)。
筆者は現在49歳ですが、筆者が20代だった頃にも、年金が危ないという話はそれなりに流布しており、周囲には「どうせ年金はもらえないのだから保険料は払いたくない」と言う人がたくさんいました。しかしながら、現実に歳を取り、体力的な衰えやキャリアの限界を感じてくると、たいていの人が「年金、年金」と騒ぎ始めます。
20代や30代の読者の方にはまだイメージできないかもしれませんが、今から30年が経過した時には、皆さんの大半が「年金、年金」と騒いでいるはずです。
筆者は、たまたま幸運や人の縁に恵まれ、相応の資産形成に成功しましたから、今となっては年金に頼らなくても生活できる立場ですが、これまで思い切ったチャレンジができたのも、「最後は公的年金がある」という安心感があったからです。多くの人にとって公的年金は最後の砦ですから、保険料を払わないという選択肢はお勧めしません。
前回記事「正論おじさんに教えたい、路上の看板が規制されない理由」はこちら>>
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