多くの人が経済的・社会的に成功したいと考えていますが、なかなか実現することができません。しかし、実際に成功の切符を手にした人の多くが、成功法則はシンプルだと述べています。ギブ・アンド・テイクもそのひとつなのですが、なぜこれがカギを握るのでしょうか。
人間関係は基本的にギブ・アンド・テイクで成り立っています。一方的に誰かに何かを与え続けなければならない関係というのは、そもそも対等でフェアな関係とはいえませんし、この逆も成り立ちます。誰かからギブしてもらうだけというのは、何か特別な理由がない限り、あり得ないといってよいでしょう。
当たり前のことと思うかもしれませんが、多くの人が、その当たり前のことが出来ていません。本人はあまり意識していないのかもしれませんが、ギブ・アンド・テイクではなく、テイクばかりしようとする人が多いのです。
例えば仕事で相手から資料を受け取る際、連番がしっかりと振ってあったり、リストが作成されていると、自分の作業はとてもラクになるはずです。ここで多くの人は、仕事がラクだったという程度にしか考えず、それが相手の努力によってもたらされたという事実を認識しません。当然ですが、相手に対して感謝の言葉を述べたり、次の仕事で何かお礼をするということもないわけです。
こうした行為の積み重ねが、人間関係において大きな影響を及ぼすことになるのですが、その重大性を理解している人は少数派でしょう。
ギブ・アンド・テイクの概念がしっかりしている人は、いわゆる交渉事においてもパワーを発揮します。
ギブ・アンド・テイクの関係は、上司と部下や、顧客と営業マンなど、力関係に大きな差がある相手でも十分に成立します。部下は最終的には上司の言うことを聞かなければなりませんし、営業マンもやはり顧客が最優先であることに変わりはありません。
しかしながら、強い相手であっても、それを前提とした範囲内で対等なやり取りというものが存在しており、その中でしっかりとしたギブ・アンド・テイクを確立できるのかは重要なポイントです。
ビジネス上の交渉で、「どうかこちらの状況もご理解ください」「私どものやり方についてご理解いただきたく」といったセリフを耳にする機会は多いのではないでしょうか。あるいは、「そうおっしゃられましても事情がございまして」という言い回しでもよいでしょう。
実は、これらのセリフを吐いている人は、ギブ・アンド・テイクというものを考えていません。
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