そんな松本隆さんの書いた曲で、私が最も聖子ちゃんの本質を突いていると思っているのが、『瞳はダイヤモンド』。ちなみにこの曲は、松本さんが聖子ちゃんに失恋の歌を歌わせようと思って「君、失恋したことある?」と聞いたところ、「ありません」と即答されて書いた曲だそうです(やっぱり聖子ちゃん強し!)。そんなモテ女に失恋の歌をあえて歌わせる松本先生、やっぱりすごい(笑)。

歌詞の中に「時の流れが傷つけても傷つかない心は小さなダイヤモンド」というフレーズがあるのですが、私は、これが聖子ちゃん自身を、すごく端的に表していると思うのです。

感慨深く聖子ちゃんのコンサートの看板をみつめる、の図。

彼女って「ぶりっ子」と呼ばれるくらい清楚なイメージがウリのアイドルだったにも関わらず、神田正輝さんとの結婚後1986年には娘・沙也加さんを出産して、ママになっても引退することなく現役で活躍。さらにその後神田さんとの離婚後に外国人のジェフ君が聖子ちゃんとの不倫を赤裸々に綴った曝露本が出版されたり、バツ2になってまたまた3度目の結婚をしたり……と、恋愛ではかなり破天荒に生きて来ているのに、それが全くキャリアのダメージになっていない。これって他のアイドルの例を思い浮かべると、相当すごいことじゃないですか?

なんでだろう、って考えてみると、その答えは、「ダイヤモンドは傷つかないから」だと、私は思っていて。聖子ちゃんはダイヤ並みにタフなメンタルを持っていて、きっとどんなに恋愛で私生活がとっちらかっているときでも、仕事をおろそかにしたりしなかったんだと思うんですよね〜。そうじゃないと、39年も現役でこんな風に突っ走って来れなかっただろうなと、今回のライブで、華奢な身体でステージを走り回る聖子ちゃんを観ていて感じました。ストイックなプロ意識と、何があってもブレない自分軸の強さ。そしてもちろん、彼女自身が「ダイヤ」のように本物の才能を持った、唯一無二の存在だからということもあるでしょう。

先日、51歳のセリーヌ・ディオンに勇気をもらったという記事を書いたばかりですが、今回の聖子ちゃんのライブで、さらに勇気をもらいました。57歳でこんなに可愛くてスタイルが良くて体力のある聖子ちゃん。ポテンシャルの違いはあれど、まだまだ私もあきらめずに色々がんばらなきゃな、と。

私のような熱烈な聖子ファンではなくても、同世代の女性にとって、あの時代に結婚して出産しても引退せず第一線で活躍し、プライベートでも世間体よりも自分の「愛」を追求し続けてきた聖子ちゃんって、ある意味「強い女性」の先駆者であり、それを体現したヒーロー的存在だと思っています。しかも、それがガツガツして見えず、女性のしなやかさやしたたかさで上手に乗り切っているように見えるのは、彼女の持つ生来の品の良さと美貌がそうさせているのでしょうか。

プライベートを語ることの少ない聖子ちゃんだけど、いつかジャンヌ・モローみたいに今までのキャリアや恋を振り返った、自叙伝を出して欲しいと熱望しています。彼女の生き方自体が、日本の女性に勇気を与えるものだと思うから。
アラ還になってもこんな風に夢を見させてくれる聖子ちゃん。「アイドル」のパワーって、本当にすごいなあ。

 

前回記事「パリコレでセリーヌ・ディオンがおしゃれの大躍進!ベストルック9選」はこちら>>

 
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