スタイリスト、ミモレコンセプトディレクターの大草直子が着こなしのアイデアや日々の思いを綴ります。
昨年6月からフロリダに単身留学していた長男が、帰国しました。出発前は反抗期のただ中で、私達親に対して暴言を吐いたり、壁に穴を開けたり――ということは、さすがになかったのですが、とにかくいつもイライラしていました。何をしていても「心ここにあらず」と言った感じ(笑)。
「中学2年生を1人で出すことに不安はありませんでしたか?」
「日本の勉強が遅れることは心配していませんか?」
とよく聞かれましたが、どちらもNO。
部活中に頭を強打して、病院に運ばれたこともありました。クラスをボイコットして、大問題になったこともありました。けれど、何とか無事に1年を終え、本帰国。
人間としての輪郭がはっきりしていました(笑)。
美味しい、嬉しい、楽しいをはっきりと言葉にできるように。
家族に対する感謝の気持ちや愛情を、渡してくれるように。
集中力が増していました。
自分のことだけでなく、家のことを手伝ってくれるように。
1年に経験した、孤独や苦しみ。もちろん楽しいことや初めて見た景色も。ふわふわとしていたアイデンティティを深く考えるタイミングもたくさんあったでしょう。そのすべてが、13歳だった彼を強くしてくれたんだな、と思います。
そして変わったのが彼だけではなく。私達家族も同じ。彼の可能性やキャラクター、家族における役割や存在感に感謝をし、改めて「愛していること」を伝えました。相手の行動や感情は、ある意味自分にとって鏡のようなもの。きっと、出発前はその感謝や愛情の交換ができていなかった。そんなことを、お互いに気づけたのも、良かったのかもしれません。
子供たち、「本当に色々ありますが」、ぐんぐんと成長しています(笑)。私もがんばろうっと。
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