FRaU7月号では、6月27日(土)より全国公開になる映画『きみはいい子』の監督・呉美保(おみぽ)さんと主演の尾野真千子さんにインタビューをしました。
明るくハジけた役が多い印象の尾野真千子さんですが、今回の映画では、母親から虐待を受け、自分の子どもにも手をあげてしまう母親の役を演じています。
呉美保監督は、前作『そこのみて光輝く』が国内外で高く評価され、数々の賞を受賞するなど、今注目の若手女性監督なのです。(そしてこの取材時、監督はなんと妊娠9ヵ月でした)
監督と主演女優の方に同時にお話しを聞く取材は初めてのことで、どんな雰囲気なのか、どういう話の展開になるか、緊張の面持ちでスタジオ入りしました。
びっくりするくらい仲良し! お二人の心から信頼し合っている感じが伝わってくる撮影となりました。
映画の冒頭、尾野真千子さんの演じる雅美が、娘を延々と叩くシーンがあるんです。見ているだけで胸が苦しくなるような場面。「実際には、(尾野さんは)自分の手を子どもの身体に置いて、真っ赤になるまでその手を叩いていた」と監督が教えてくれました。「芝居とはいえ、子どもに叩かれる痛みを感じさせたくなかった」と尾野さん。
なぜなら、その4歳の子役の女の子は「女優さんになりたい」という夢をもって頑張ってここに来ていて、この撮影を経験したことでもうお芝居はやりたくないと思わせたくない、と思っていたそうです。
この映画は、教育や家庭をとりまく社会の厳しい現実を描いてはいるのですが、暗いばっかりではなく、そこにささやかな救いもある。すっきり解決するわけではないんですけど、希望の光が繊細に描かれた映画なので、ミモレ読者の方にもぜひ観ていただきたいです。
そして、監督、先日、無事出産されたそう! ママになってどんな映画を撮られるのか楽しみです。
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