こんにちは。川端です。2019年も後半戦に入りまして、そろそろ今年のベストブックは何かなと考え始めなきゃと思う時期になりました。(あ、どこからも注目を集めていませんが、私のなかの毎年恒例となっております)。

読み終わらぬうちに2019年のベストブック入り決定!と思っていたのが今村夏子さんの『むらさきのスカートの女』です。

 

芥川賞が発表になる前にこのブログを書いけおけばよかったですよ。ほんとに(涙)。そしたら、バタやんのベストブックが一躍脚光を浴びたかもしれないのに……。

というのは冗談ですが、本当にこれはすごい小説です!!

いつもむらさき色のスカートをはいている近所で見かける女性。

主人公の<わたし>=黄色いカーディガンの女は、「むらさきのスカートの女」と友達になりたいと思っています。

そこまでは普通。
わりとありえる気がします。

家も調べてある。勤務状況も調べた。
ちょっと変わってるな〜、黄色いカーディガンの女、と思いますよね。

むらさきのスカートの女が同じ職場で働き出すように仕向けます。
「友達になりませんか」なんて突然話しかけるのは不自然だから、自然な形で自己紹介できる環境を作りたい、と<わたし>は考えたわけです。

いやいやいや。あかんやろ。
普通に公園のベンチで「今日も蒸し暑いですね」とか話しかけたらええやん!

むらさきのスカートの女は、非常に魅力的な外見の女性なのかというとそんなことはなさそうです。わりと地味。小学校の時のめいちゃんに似てる(って知らんがな!)歳もけっこういっているようなんです。

近所でいつも見かける女性がブレイク・ライブリーみたいなママだったら、そりゃどんな手を使ってでも仲良くなりたい、息子のお迎えでも子守りでもなんでもするわと思いますが。(あ、つい最近、映画『シンプルフェイバー』を見たんです。華やかで謎めいたブレイク・ライブリーに野暮ったいアナ・ケンドリックが擦り寄る、そんな映画でした)

シンプルフェイバー』ブレイク様のお衣装がかっこよかったです。

話が逸れました。

念願叶って同じ職場につくことができたのですが、<わたし>はお休みの日なのに、むらさきのスカートの女を観察するために出勤したり、近づきかたがちょっとヘン! すごくヘンです。

むらさきのスカートの女のほうの挙動もちょっとヘン。
後半、急展開を迎え、むらさきのスカートの女が会社の人と不倫しはじめます。

そこで黄色いカーディガンの女はがっかりして離れてしまうのかというと……。

というところから思いがけない展開に。それまでわりとゆったりした話だったのに急展開に驚きます。誰が普通で誰が普通じゃないのか。狂っているのは誰なのか……。そもそも普通の人ってなんだろう。

難解なタイプの小説ではないので、すらすらと読めるのですが。なんでしょう。この寄せ付けない感じは。主人公にわかるわ〜と少し共感できたかと思うと、えー!って思う行動をとるので、一向に小説と自分の距離が縮まりません。

共感とか感情移入とかしやすい小説をつい選んでしまいがちですが、これは簡単にわかった気になって読み終わってはもったいないと思わされる小説でした。

むらさきのスカートの女』なのに、表紙のスカートは水玉で。裏表紙がむらさきの林檎でした。そんなツンデレ装丁もとても好きです。

最近読んだ柴崎友香さんの『待ち遠しい』もご近所友達のお話でした。

ご近所づき合いって、家は選んだけれど人は選んでないのに半ば強制的にプライバシーダダ漏れになるっていう面白い関係ですよね。こちらは、最初は「うわ〜、合わなそう」と思った人とだんだん仲良くなるお話です。


どちらも味わい深いです。

ではではまた〜。