米倉涼子さんが、過去に観た映画を紹介するアーカイブ コレクション。
そのときに観た映画から、米倉さんの生き方、価値観が垣間見えます。

Relativity Media / Photofest / ゼータイメージ

『しあわせはどこにある』という、とてもかわいい映画との出会いがあったので、みなさんにぜひご紹介したいと思います。
主人公は精神科医としての仕事も順調で、美しい恋人にも恵まれているヘクター。はたから見れば充実した人生のはずなのに、何となく物足りなさを感じていた彼は、中国、チベット、アフリカ、アメリカへと幸せ探しの旅に出ます。きっとヘクターは、ロンドンで精神科医として患者さんの悩みを聞いているうちに、色々なことが混乱してきちゃったのかもしれませんね。

 

旅先でのヘクターは少年のように解放されているように見えます。飛行機のなかや旅先でたくさんの出会いがあり、そのなかにはセクシーな女性からの誘惑も! 主人公を演じたサイモン・ペッグのコミカルな演技も楽しくて、好きな俳優さんだなとあらためて感じました。
そして恋人役のロザムンド・パイクは『ゴーン・ガール』のキャラクターが強烈すぎて、「今回も何か恐ろしい裏の顔があるんじゃない!?」なんて、つい疑ってしまったり(笑)。
ハプニングが続く旅先の映像も楽しいのですが、ふたりが暮らすロンドンのフラットのインテリアもとても素敵なんです。このあたりも要チェックです!

旅に出ていろいろな経験をしながらヘクターがノートに書きとめる“幸せのヒント”もとても印象的でした。私の心に一番グッときたのは、「幸せとはありのままで愛されること」というヒント。
そのほかにも思わずメモしたくなる言葉がいくつも出てくるので、ぜひ自分の気持ちにフィットするヒントを見つけてみてください。

『しあわせはどこにある』
ロンドンで暮らす精神科医。素敵なフラットで美しい恋人と同居し、完璧に見える暮らしをしている。けれども心のなかでは、仕事や恋愛に対する行き詰まりを感じ、幸せ探しのために旅に出ることを決意するが……。

取材・文/細谷美香
このページは、女性誌「FRaU」(2015年)に掲載された
「エンタメPR会社 オフィス・ヨネクラ」を加筆、修正したものです。