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【お誘い】処暑の京都で、美しい装束と伝統文化にふれるトークイベント

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ミモレ読者の皆さま、こんにちは。
ご無沙汰しております。長艸歩です。
息苦しいほどの蒸し暑さが落ち着き、例年よりずいぶん過ごしやすくなった京都です。二十四節気では「処暑」の頃(=厳しい暑さは峠を越えて、朝晩は涼しい風が吹き、心地の良い虫の音が聞こえてくる頃)、まさに今年は暦どおり!と感じております。

 

先日、まだ暑さが猛威をふるっていた頃、義父のおともで白沙村荘 橋本関雪記念館のお煎茶の会に行ってまいりました。

そのお庭の素敵なこと、大きなアトリエに吹き抜ける風の気持ち良いこと!突き刺すような暑さも、表通りの車の音も程よく木々に遮られ、まさに避暑地、桃源郷でした。

明治〜昭和期に活躍し、美しい日本画や漢詩を遺された橋本関雪先生。今の私の年齢の頃にはこのお庭を作り始めていたというからもう驚きしかありません。(日本画がもっともお金になった稀有な時代だったそう)

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一番大きな画室のお席で、とろんと甘い玉露をいただきました。

自分の思い描く場所をつくり、住まう。
規模はかないませんが「私もいつか」と、汗だくの帰り道に思いました。

横浜の「三溪園」や杉本博司さんが作られている「江之浦測候所」のような建築や庭園がお好きな方にもおすすめです。暑さと現実からしばし逃れられますよ。

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特別にガラスケースから出された大作「木蘭」が飾られたお席。この屏風は見る角度で人物が見え隠れする構図になっています。

今週末、9月8日(日)に京都でトークイベントがあります。
能装束が代表作の一つである義父、長艸敏明と衣紋道山科流として宮廷装束の未来を担う山科言親さんが過去・現在・未来の装束、そしてこれからの伝統文化について語ります。
義父の作品の展示もございますので、お近くの方はよろしければぜひお越しください!


 イベント告知 
『繡えども繡えども』刊行記念 トークイベント&サイン会 9月8日開催
京繡伝統工芸士・長艸敏明×山科家30代目家元後嗣・山科言親

■9月8日(日)13:30〜14:30

大垣書店 京都本店
 〒600-8009京都市下京区四条通室町東入函谷鉾町78 SUINA室町1F
■先着30名
■大垣書店京都本店にて『繡えども繡えども』をお買上げのお客様、もしくは参加費1000円をお支払いのお客様に参加整理券をお渡しいたします。
■ご予約・お問い合わせ TEL:075-746-2211(大垣書店京都本店)

※ミモレ編集部スタッフによるアテンドはございません。

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PROFILE 長艸 歩(ながくさ あゆむ)

1987年京都市生まれ。芸術大学にて絵画を学び、卒業後は京都の老舗日本茶メーカーで販売や広報として勤務。結婚、出産を機に夫の家業である「長艸繡巧房」にて伝統的な京都の刺繡「京繡(きょうぬい)」を学びはじめる。 現在は3歳と1歳の女の子を育てながら刺繡の技術の習得と、いままで触れる機会のなかったディープな京都文化の吸収に励んでいます。 Instagram(@sica.seka)でも刺繡や文様のことを発信しています。

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『繡えども繡えども』

著者 長艸敏明
A24判 192ページ/ 講談社

長艸敏明氏は歩さんの義父。刺繡作家、京繡伝統工芸士である氏の作品集が出版されます。着物や帯のほか、季節ごとのしつらえや婚礼衣装などの祝い着、祭事の修復や復元まで京繡の第一人者である著者の“刺繡の力”を堪能できる100点を掲載。

構成/山本忍(講談社)