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【大人がすべき歯のケア】歯科医が教える「良い歯医者」の3つのポイント

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①医師が患者さんと対等のコミュニケーションをしてくれる

 

「良い歯医者」があるのだから「行きたくない歯医者」もあるわけで(笑)。良いところを挙げるのもいいのですが、「これだけはガマンできない」と言う“行きたくない理由”を挙げてもらった方が、より明確になるんですよね。

「行きたくない歯医者とはどんな歯医者ですか?」と尋ねると、

・先生の言うことがわからない
・先生が怖い
・説明がなく治療が始まった


と言う答えが圧倒的に多かったです。

これは患者と医者が対等でないということを意味しています。一方的な関係性でコミュニケーションが取れないままに治療をしている。「歯医者ってこんなもの」と半ば諦めてしまっていたら本当に残念に思います。患者さんと医師は対等であるべき。治療法を説明・提案するのは僕らの仕事であり、それらをわかりやすく伝えるのは僕らの義務です。それを「わからない」「相談できない」ままでいることはよくありません。

僕が歯科医になった若かりし頃に、尊敬するドクターが「患者という字を書いてみなさい。患者さんは心に串が刺さった状態でやって来る。その串を抜き取るのが僕らの努めなんだよ」と教えてくれました。この言葉はずっと僕の心の中に生き続けているんです。患者さんにとって「相談しやすい医師」であることは大前提であると考えます。

②すぐに治療を行わない

 

治療を始める前はもちろん、治療中・治療後もしっかりコミュニケーションを図っていれば、先の発言は出てこないと思うんです。特に、治療方針を決める最初のカウンセリングは、時間をかけてしっかり行うべき。

最近では珍しくなくなりましたが、僕のクリニックではカウンセリングルームを設けています。

ルネス青山デンタルクリニックのカウンセリングルーム。ここで先生と患者さんがマンツーマンで治療方針を決める。

歯が痛い、歯を白くしたい、歯並びなど技術面以外にもメンタルな部分の相談、治療期間、費用のことまで治療前に全て話し合い、納得して共感いただいています。
だから、ストレスなく治療に専念できますし、患者さんもしっかりケアしようと真面目に通院されます。皆さんも「同意が得られなければ治療は行わない」くらいの姿勢で良いと思いますよ。

    
③歯医者に行って気持ち良い、心地良いと思えるか

顕微鏡による精密診療を行う個室診療室。クリニックには大小合わせて3つの診察室がある。
「レセプションの対応が歯医者の良し悪しを決める」と小林先生。広々とした清潔感のあるレセプション。


「歯医者=痛い・苦痛の場」ではなく、気持ち良さの体験ができるところなんです。虫歯治療でも歯科医の技術が高ければ、気持ち良い、って感じるんですよ。僕のクリニックでは、施術者が患者さんへ歯磨きを行なっています。いわゆる『術者磨き』。ヘアサロンで美容師さんから頭を洗ってもらうように、歯科医院でも歯科医師や歯科衛生士に歯ブラシをしてもらう。 正しい知識と使い方を知っている人に歯を磨いてもらうと、本当に気持ち良いんです。

また、院内の環境が整っていることも大事ですね。清潔な院内、清潔なスタッフ(笑)、受付スタッフの対応、電話対応など「また通いたい」と思えるか否か。環境も大切ですね。

ルネス青山デンタルクリニック 小林建先生

1996年3月神奈川歯科大学歯学部卒業。都内歯科医院にて歯周病、インプラント、審美治療、都内矯正歯科医院にて矯正治療について研鑽を積んだ後、2008年渋谷区神宮前「ルネス青山デンタルクリニック」を開業。

取材・文・撮影/長谷川真弓
構成/片岡千晶(編集部)

第1回:「本気で“良い歯医者”を見つけませんか?」はこちら>>

第3回:40代女性の口腔内悩みのケア法・予防法

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